大幅改良された新型フィット。4グレードに試乗してそれぞれの味を確かめた
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一
1.5リッターの自然吸気エンジン「i-VTEC」を搭載する「ハイブリッド・S」は、今回のマイナーチェンジで牽引役となるモデルだ。乗り込んでまず嬉しくなるのはドアをバシュッ! と閉めたときの“密閉感”の高さで、走り出してからもその静けさがキープされる。そしてこの静粛性こそ、今回ホンダがトコトンこだわった部分だとボクは感じた。
たとえばフロアに貼り込まれる遮音シートは、全車共通でその厚みが2mmから3mmへと引き上げられている。さらにこのハイブリッド・Sと「RS」、そして「15XL」のダッシュボードには、広範囲にわたって防振・防音用のインシュレーターが貼り込まれた。またハイブリッド・S専用の処置としては、エンジンマウントや吸音材、フロアアンダーカバーの材質や形状が最適化され、フロントガラスは遮音ガラスに、フロントコーナーガラスは板厚を増やすという徹底ぶりなのである。
ただホンダのハイブリッドは「パラレル式」といって、あくまでエンジンが主役。だから発進時にモーターのみで走行するような“EV的無音感”を期待すると、途中からすぐにエンジンが“ブーン”と動いて、とても小さな音なのだけれど、少しだけ肩すかしを食らう。
また高速道路での合流や追い越し加速では真っ先にエンジンが出力を引き出すから(エンジン回転数は4000rpmくらいに跳ね上がる)、「ここでもうひと押しモーターがプッシュしてくれたら…」と思ってしまうのも事実。
1.5L i-VTECは内燃機関として見ると抜群に静粛性が高く、振動も少ない秀逸なエンジン。しかしこれだけ車内空間が静かになると、やっぱりその存在感は立ってくる。EVやプラグインHVの静粛性に対抗するなら、極端に言えばそのサウンドが完全に聞こえなくなるほど、エンジンコンパートメントの遮音性を高めてしまってもよいのではないだろうか? と個人的には思えた。
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