【日本もなんとかなれ】トヨタのBEV「bZ4X」がノルウェーで最も売れたクルマとなった“なるほど”な理由
掲載 carview! 文:工藤 貴宏 27
掲載 carview! 文:工藤 貴宏 27
住宅事情や充電環境が整っているうえに、エンジン車に対してそう高くない価格で車両を買えるうえに、駐車場代やフェリーなどの補助も充実。
その結果として「EV便利、そしてエンジン車よりもコストパフォーマンスに優れる」という状況を作り出したのです。結論からいえば、ノルウェーの人々は「経済性の面からEVを選ぶ」という判断をしているといっていいでしょう。
ちなみにノルウェーは公共の急速充電器もクルマの台数に対して数が多いですが、あまり使う人はいない模様。なぜなら家で充電するのに対し、外部充電は利用料が格段に高いからだそうです(外で充電すると充電コストが高いのは日本も同じ)。
ただ気になるのは、なぜテスラやBYDではなく「トヨタ」を選ぶのかということ。ひとことでいえば「信頼性」とのことです。
極寒の彼の地では、冬の自動車トラブルは凍死に直結。クルマが止まってしまえば、死につながるリスクが高いというわけです。
だから信頼性が重要。
そういうクルマ選びなら、命を失わないためにも、先進性や目新しさではなく地道に信用を積み重ねた信頼性のあるブランドを選ぶ人が多いのも当然というわけでしょう。その結果、トヨタが選ばれるというわけなのです。
ところで最後に、ノルウェーのエネルギー輸出事情もお伝えしておきましょう。実はノルウェーは海外にエネルギーを輸出しているのです。石油、そして天然ガスという形で。
ノルウェーは石油産出国であると触れましたが、そこに天然ガスも加えた化石燃料は欧州を中心とした海外に輸出され、ノルウェー全体の輸出額のなんと約7割(2023年統計)。そして、そこで得た利益をEV優遇の原資として活用しているのです。
つまりノルウェーは世界でもっともEVが普及する国ではありますが、同時に、他国で二酸化炭素を排出することを前提に成り立っているEV大国といっていいでしょう。モノ申したい人もいるかもしれませんが、それが現実なのです。
(終わり)
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