I-PACEはジャガーの思想が反映されたクルマ屋らしい完成度を持つEV
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
今回の日本での試乗に先駆け、昨年6月にポルトガルで2日間、みっちり試乗しているのだが、驚いたのはコース設定だった。あちこちに凸凹がある舗装の傷んだ一般道からワインディングロード、さらにはサーキットにオフロードと、ジャガーはありとあらゆるシーンを用意してくれていた。まさかサーキットでの全開走行や渡河までやらせてくれるとは思っていなかっただけに、開発陣の自信の大きさやプライドが伝わってきた。あらゆる状況で走れてこそクルマ屋がつくるクルマなんだよ、ということを伝えたかったのだろう。
そんな試乗を通して感じたのは、EVである以前に、一台のクルマとして極めて高い完成度をもっているということだった。まずボディ剛性がとんでもなく高い。オプションの22インチタイヤを履いていたが、ポルトガルの穴ぼこだらけの舗装路を走ってもボディはミシリともいわない。突き上げは瞬時に減衰され、大きく重い22インチタイヤ&ホイールもバタ付き知らず。正直、この洗練された乗り味には驚いた。ちなみに、I-PACEのボディ剛性はジャガーの中でも最高レベルであり、スポーツカーのF-TYPEに匹敵するという。なお、熟成が進んだためか、先日乗った日本仕様車はさらに乗り心地のしなやかさが増していた。22インチのエアサス仕様はもちろん、20インチの金属ばね仕様でもI-PACEの優秀性は9割方享受できる。
重量は2トンを超えるものの、低重心と50:50の前後重量配分がもたらすハンドリングもきわめて優秀。重さを感じさせることなく、ワインディングロードはおろかサーキットでも思い通りの走りを楽しめた。もう一点、サーキット走行で感心したのは、全開走行を続けてもモーター出力やブレーキのタッチにほとんど低下がみられなかったことだ。アクセル操作に即応して沸き上がる豊かなトルクはコーナー出口でボディを力強くかつスムースに押し出し、ストレートでは200km/hをマークした。テスラで同じような走りをしたら2~3周でパワーもブレーキもへこたれてしまう。そもそもテスラはサーキット走行をした時点で保証対象外だ。
I-PACEの0-100km/h加速は4.8秒。これでも十二分に速いが、テスラ最速のモデルS P100Dルーディクラスパフォーマンスは驚異の2.6秒。アクセルペダルを踏み込んだ瞬間のガツン! という加速感はテスラに及ばない。しかしその分、I-PACEはパフォーマンスの持続時間が長い。おそらくバッテリーやモーター周りの冷却能力が高いのだろう。
以前テスラ・モデルXをサーキットで走らせたことがあるが、全開加速テスト10回目で0-100km/h加速は10秒を超えた。もちろん、これは考え方の違いであり、どちらがいいとか悪いという話しではない。普通のユーザーはサーキットなど走らないわけで、日常的なサプライズを重視するのはある意味合理的とも言える。重要なのは、そういう違いがあることを知ったうえで選択すること。いずれにしても、過酷な連続走行や渡河などにきちんと対応させてきたあたりはクルマ屋らしい仕事である。
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