ストリームがMC。超欲張りグルマの最先端!
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:小林 俊樹
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ってな具合に、プライドを捨て、思い切って割り切ったスポーティ仕様を出してきたストリームだが、個人的には相変わらず7人乗り3列シートの『RSZ』が一番いいと思った。エンジンは2リッターと1.8リッターがあるが、今回乗ったのは前者だ。
具体的には『RST』同様、150馬力の最高出力を発揮するスポーティモデルだが、足回りは今回逆に絶妙にしなやかになり、適度なステアリングのシャープさを保ちつつ、乗り心地は良好。細かな路面のざらつきを拾うようなことはなく、それでいて無駄なコーナリング中のロールも少ない。加えて、クリアタイプになったヘッドライトや、セミバケットタイプのシートは『RST』譲りで、スポーティな7段刻みのマニュアルシフトができるところも一緒だ。
つまり、こちらの方がよりプラットフォームをしっかり作ってきたストリームの良さを生かしていると思うし、より万能選手なのだ。『RST』は確かにスポーティだが、5人乗りだし、言うほどラゲッジが広くなるわけではない。大抵の場合は『RSZ』で十分だし、用途は広い。
スポーティモデルとはいえ、今やVWゴルフでもGTIが一番バランスがいいように『RSZ』が一番なのかもしれない。
一方、今回エコカー減税を睨んで燃費を良くしたのは、1.8リッターを搭載する廉価版グレードの『X』と『Gi』。聞けば、大がかりにエンジンマネージメントに手を付けるようなことはせず、サスペンションの見直しなどで転がり抵抗を減らし、10・15モード燃費を下げ、最大で50%の減税を受けられるようにしたとのことで、これまた新型ストリームの“幅”を広げる行為だとも言えるだろう。
つまり、ストリームもウィッシュもつくづく日本車的な魅力を目一杯詰め込んだ『日本的技術のデパート』と言えるようなクルマなのだ。その分、個性に乏しいとも言えるが、個性がないのも一つの個性。
良くも悪くも現代の日本を象徴している超欲張りグルマの最先端なのである。
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