ポロGTI 海外試乗レポ 想像以上に、○×的？

0-100km/h加速はゴルフGTIとイーブン

日本でもポロは1.2TSI搭載モデルにスイッチしたが、この1.2TSIで既に十分な動力性能と優れた燃費、爽快なフィーリングが実現されており、僕も高く評価している。

事実、1.2TSIの他に以前まで売られていた1.4（これはMPIの古いエンジン）や、国際試乗会では1.6TDI、さらに燃費“命”仕様のブルーモーションなども試乗しているが、それらの中で見ても1.2TSIのバランスの良さはシリーズ中随一だ。ではGTIに新たに搭載された1.4TSIはどうか？

GTIに搭載される1.4TSIは、スーパーチャージャーとターボを組み合わせたツインチャージャーとなる。ただしゴルフをはじめとする他のモデルに搭載されるツインチャージャー以上に、高出力仕様となるのが特徴だ。

スペックは最高出力180ps/6200rpm、最大トルク25.5kgm/2000-4500rpmで、ポロへの搭載を考えるとトゥーマッチと思えるほど。事実、0-100km/h加速は6.9秒と、兄貴分であるゴルフGTIと全く同タイムという俊足を誇り、最高速も229km/h（ゴルフGTIは238km/h）を達成。排気量からすれば信じ難いほどの動力性能で、当然この点で不満は皆無だ。

一方で燃費と環境に優れるのもTSIの真骨頂で、GTIはこれほどの動力性能ながら燃費は欧州値で16.9km/L、CO2排出量は139g/kmと優れた数値を手にしている。だからある意味1.2TSI以上に言うことナシ。というかホットハッチを成立させるだけの性能なのに、全く後ろめたさがないあたりが時代にしっかりミートしている。

組み合わせるトランスミッションはなんとMTの設定がなく7速DSGのみとなる。そのDSGはギア比が専用となるのも特徴だ。シフトレバーは新たなデザインを採用する。

加速は性能通り小気味良い。サウンドはゴルフGTIほど良くないが、変速時のボッという響きは健在。回転フィールも相変わらずの滑らかさで軽快に吹け上がる。専用ギア比ゆえか、ドラマチックに回転が盛り上がる前に矢継ぎ早に変速するため、頭打ちと感じる場合もあるが、実質的な速さはしっかりと確保される。回転の伸びという“名”よりも“実”を取るタイプだが、キッチリ上まで回せば十二分に痛快だ。