ランボルギーニの名車ミウラやカウンタックの歴史がサラリと読める、クラシックカーイベント探訪記
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:(c)2018 Automobili Lamborghini S.p.A. 、Takumi Yoshida
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フィアットはイタリア最大の自動車企業で、今ではチンクエチェントやパンダといった実用車を造るメーカーというイメージが強いが、そこはイタリアのこと、戦前からラインアップのなかに必ずスポーツカーが存在していた。その、かつてのフィアットスポーツのなかでも取り分けホットで、取り分けスタイリッシュだったのがこの8V、イタリア語読みで「オットヴ」のザガート版である。「8V」とはエンジンがV8であることに由来するネーミングだが、それでいて排気量は2リッターにすぎないのだから、いかに精巧なエンジンだったか想像できるだろう。8Vは1952年から54年のあいだに114台が造られたといわれ、標準ボディはフィアットのデザイナーによるややぼってりしたスタイルのものだったが、その他にイタリアの様々なカロッツェリアによるボディが存在した。
そのなかで最も高名なのがこのザガート版で、その精悍なスタイルと軽量から多くがレースに出場、2リッターGTクラスで幾多の勝利を記録している。8Vザガートの生産台数は30台とされるが、シャシーナンバー0002というこのクルマはそのなかで最初に作られた個体で、ダークブルーとブラックを組み合わせたボディカラーはサッカーチーム、インテルミラノのテーマカラーを採り入れたものだ。ザガートに8V用のボディの製作を依頼した最初のオーナーが、インテルの大ファンだったのがその理由という。しかもこの個体はザガートの2代目当主で、レーシングドライバーとしても大いに活躍したエリオ・ザガートがステアリングを握って、数多くの勝利を手にした由緒あるクルマでもある。
※正式表記は:1952 Fiat 8V Zagato
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