新型ホンダ インサイトは街乗りが絶品。高速ではアメ車的ユルさとエンジン音が気になる
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:小林 俊樹
この延長線上で、高速道路も走ってくれたら、とんでもないクルマの登場だ! これぞインサイトと思ったのだが、ここまで盛り上げておいて申し訳ない。高速道路では若干違和感が漂う。
遠回しに言っても仕方がないのでズバリ言うと、まるで往年のアメ車的な乗り味なのだ。重さで車体を路面に押さえつけるものの、速度が上るにつれフワッとした動きが気になってくる、サスペンションの伸び側規制が弱い、乗り心地重視の味付け。街中ではその適度なゆるさから穏やかさが出て好印象だったが、高速道路になるとフワフワ感が出て、ハンドリングもダイレクト感が足りず、センター付近まで曖昧になり、ビシッと気持ちよく走ってくれない。
スポーツモードにするとハンドルがズシッと重くなってグラッと感は緩和されるが、それでもセンター付近はビシッとせず、やはりスポーティに走る気にはならない。
街中では好印象だったハイブリッドシステムにも弱点が見えてくる。2.0L版のi-MMDと違ってエンジンの地力が足りないのか、少し強めの加速をしようとしただけで簡単にエンジンが唸る感覚がある。2.0L版にはあったエンジンの吹け上がり感などもなく、ただ唸ってしまう印象だ。高速巡航している時のエンジンオフの静かな環境から、アクセルを踏んでエンジンが掛かったときに唸る世界が突然くるので、その落差でとてもうるさく感じてしまうのだ。
スポーツモードにすれば、モーターがアシストを積極的にするのかアクセルに対する反応が鋭くなり、加速力も瞬間的には力強くなるが、やはりエンジンの伸び感はないし、前述した車体がグラッとする乗り味に変化はない。
結論。スポーティなデザインに期待しただけにこのような結果は残念だが、たたずまいや街中ドライブの上質感はみごとなので、新型インサイトは街中スペシャリストと捉えると良いのではないだろうか。今後は無限やモデューロからスポーツサスが出ることにも期待したい。
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