新型「プレリュード」の復活からひもとく“クーペ”という特別な存在。デートカーのルーツは18世紀の馬車だった?
掲載 carview! 文:小林 和久(株式会社ヘンシュウシャ) 26
掲載 carview! 文:小林 和久(株式会社ヘンシュウシャ) 26
さて、クーペという乗り物、実は馬車の時代からあったようです。
18世紀、一般的な馬車は4人乗りでしたが、これを短くカット(=フランス語でCoupé)し2人乗り(と言っても運転手に当たる御者は前部に乗っています)とした、軽快でプライベート感覚の馬車「カロッス・クペ(carrosse coupé)」が誕生します。これが現在でも自動車の一種類“クーペ”として残っているのです。
きっと18世紀の若い世代が、「親と一緒に移動するのはイヤ。舞踏会には私一人で行きたいわ」とかワガママ言ったのでしょう。それで、カップルになったら2人して、そのクーペに乗ってどこかへデートへ行っていたはずです。
つまり、クーペがデートカーだったのは18世紀から変わっていないのかもしれません。プレリュードが「シルビア」と並んでデートカーと呼ばれたのは、クーペだからにほかならないわけです。
クーペには後席があるにはあるが、エマージェンシーシートなどと呼ばれ、あくまで前席2人の移動のためのもの。それも、最短距離を最速時間で到達するのが目的ではなく、あくまで一緒にいて移動を楽しむためのものだったわけです。
「じゃあ、2シーターで良くない?」とも思えますが、デートカーにおける後席は、人を乗せるところでなく、ハンドバッグなど最低限の手荷物や、お菓子やお茶やサンドウィッチを入れたトートバッグを置くためのスペースとして必須なわけです。
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