日産が「中国で自動車輸出の新会社設立」でも「N7」の日本導入が非現実的な理由。期待したい“別モデル”の存在

日産 N7

「N7」を「輸出せざるを得ない」複雑な事情

N7の国内導入について、ある業界関係者は次のように話します。

「中国国内で発売されたN7ですが、海外への輸出を視野に入れたモデルであることは明らかです。というより、近年中国で発売される新型BEVのほとんどが、海外への輸出を前提として開発されています。

その背景には、中国の自動車メーカーの技術力向上といったポジティブな側面もありますが、実際には『輸出せざるを得ない』というシビアな事情もあります。

近年の中国は、世界最大の自動車輸出国となるべく、自動車メーカーに対して多くの支援を行い、実際に2023年と2024年には日本を抜いて世界最大の自動車輸出国となりました。

その一方で、景気減速などにより中国国内の消費は思うように伸びず、現在は生産過剰の状態が続いています。こうした状態は数年前から予測されていたため、BYDをはじめとする一部の自動車メーカーは、東南アジアや欧州、そして日本への輸出を開始しています。

このような背景を考えると、N7が将来的に海外に輸出される可能性は高いと思います」