三菱デリカD:5ほか3モデルの四駆システムの違いを雪上で確認した
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:三菱自動車
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:三菱自動車
アウトランダーPHEVの特徴はふたつある。ひとつはPHVであること。もうひとつは三菱が誇る車両運動統合制御システムのS-AWCのなかでも最も先進的な前後ツインモーター式4WD(ブレーキ制御によるAYC<アクティブ・ヨー・コントロール>付き)を採用すること。モーター駆動の電動車だからこそウルトラレスポンシブな車両制御が可能なわけで、ふたつの得意技を絡ませた同社の技術を全部載せしたクルマといえる。ランエボを電動化してSUV化したようなクルマなのだが、マニアックに過ぎるのか、市場にはその凄みが十分伝わっていないような気がする。
世の中の多くの4WD車は、エンジン(フロントエンジンの場合)が発するパワーをプロペラシャフトを介して後輪(後車軸)に伝えるが、このクルマの場合、前車軸はフロントモーターで、後車軸はリアモーターでそれぞれ駆動するのでプロペラシャフトは不要。それぞれのモーターを個別に制御すればよいので前後トルク配分はモーターの性能の範囲内で完全に自由自在だ。左右の駆動力配分はフロントブレーキを制御するAYCが担う。システムが必要に応じて内側の前輪にブレーキをかけることでクルマを曲げやすくする。
AYCの効果は低μ(ミュー)路で絶大。低μ路では、ステアリングもアクセル&ブレーキも操作量を最小限にとどめ、操作自体も優しくすることでタイヤのグリップ力を前後左右にうまく配分すべきというのが一般論だ。けれどもブレーキ制御AYC付きツインモーター式4WDのアウトランダーPHEVの場合、ドライバーは曲がりたい方向に積極的に、大胆にステアリングを切るべきだ。そうすることでシステムがドライバーの曲がりたいというその意思を理解し、積極的に内輪にブレーキをかけてクルマを曲げてくれる。前後モーターは最大のトラクションを維持すべく常時トルク配分を最適化し続ける。
実際、アウトランダーPHEVは低μ路に非常に強い。ツルツルの路面でもオーバースピードに陥らない限り、ドライバーはクルマをコントロール下に置くことができる。ESPを切ればクルマを横に向けることもできるが、ドリフトアングルを維持すべくアクセルを踏めば踏むほど、システムは車両を安定させるべくよりフロントへトルクを配分するため、クルマが元に戻ってしまう。もちろんそれは制御としては100%正しい。
姿かたちやブランドの面で気に入らないという人や家で充電できない人にまで積極的に勧めるつもりはないが、乗用車における最先端の技術を感じたい人には真っ先にこのクルマを勧めたい。
最後に乗ったエクリプスクロスにはシンプルなS-AWCが採用されている。前後輪間のトルク配分をリアデフに組み込まれた電子制御カップリングが、左右輪間のそれを前輪に備わるブレーキAYC(アクティブヨーコントロール)がそれぞれ担う。通常はFWDで走行し、必要が生じると素早く後輪にもトルクが伝わるほか、コーナリング中に車両が外に膨らむと内側の前輪にブレーキがかかり、クルマを曲げる動きが強まる。雪上コースであえてハイペースを保って走行してみても、ステアリング操作に忠実にクルマがしっかり曲がってくれ、安心感が高かった。FWDも選べるが、わざわざ三菱車を選ぶなら4WDを選ぶべきだ。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
WRCラリージャパンで発生した“一般車両コース侵入事件”、FIAは「非常に深刻な問題」として調査へ。来季大会にも暗雲
サンパウロGP3位の勢いそのままに……ガスリーがラスベガス予選3番手「最後のアタックはアドレナリンが溢れたよ!」
【旧車高騰の背景を見たり?】足を運んだファンは過去最大の1万2500人! 全米最大のJDMイベント
アルピーヌ、東京オートサロン2025に『A110 Rチュリニ』など出展へ。山野哲也のトークショーも実施
12月1日は岡山国際でドラテク磨き! 初心者向け「カルガモクラス」もある「TOYO TIRES PROXES DRIVING PLEASURE」は要チェックです
F1第22戦水曜会見:レースディレクター交代は「知らなかった」と驚くラッセル。一方で対話を続ける意思も明かす
いすゞ新型「FRマシン」発表! 斬新「スポーティ顔」採用&四駆設定あり! “新開発エンジン”と8速AT搭載の「D-MAX」「MU-X」タイで発売!
大人気の輸入車コンパクトSUVが進化! VW改良新型「Tクロス」はどう変わった? 乗って思った「これでいいんだよ」感とは
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
いよいよラリージャパン最終日。勝田貴元の“全開プッシュ”は見られるか?「難しい1年を支えてくれたチームのために仕事をしたい」
伝説のジャガーXJSが現代に蘇る、660馬力V12スーパーチャージャー搭載『スーパーキャット』誕生
ヒョンデのタナクが総合首位をキープ。トヨタのエバンスとオジェが続く……勝田貴元5番手|WRCラリージャパンDAY3午後
現行型が今も販売好調な「フォレスター」だが、日本のユーザーが選ぶべきは…やはり新型である理由
800万円は高いか安いか!? レトロ風で最新の安全装備充実!ミツオカ創業55周年記念車「M55」発表
【3分でわかるモデル解説】なんとなくMINIがほしいけど、どれを買えばいいか迷ってしまう初心者へ
【クセ強だけど懐かしい】光岡、55周年記念車「M55ゼロ・エディション」発売。100台限定…ベースはあの車
「売れる車がない」なんて言わせない! 北米日産の大型SUV「アルマダ PRO-4X」が魅力的…価格も発表
新型「ティグアン」正式発売で注目集まる豪華装備とお値打ち度。世代遅れの兄弟「Q3」よりお買い得
メルセデスAMG「A45」に“最後の限定車”登場。2.0Lターボは421馬力も…価格は1000万円超え!!
ホンダの高級ブランドが新型SUV「ADX」を発表。クセ強め“アメリカン顔”の衝撃や背景とは?
北米レクサスが販売する3列SUV「TX」は何モノ!? “LBX顔”で実質650万円~…25年モデルに進化
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!