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日産が復活させたダットサンブランドだが、世界が失望していると思う

日産が復活させたダットサンブランドだが、世界が失望していると思う

2018年8月開催のガイキンド・インドネシア・インターナショナル・オートショー(GIIAS)での「ダットサン GO」

ダットサンの名前をアジアの安物ブランドに使った日産の大失策

時は流れ2012年、日産はダットサンブランドの復活を宣言しました。それも、インドネシア、インド、ロシアという新興国向けの安物ブランドとして。これを聞いたとき僕は「インドネシア人をナメてるのか? いや、ダットサンブランドを馬鹿にしてるのか!?」と思ったものです。実はインドネシアの人たちも同じような思いを抱いたようです。特に自動車メディアの人たちは。

そして2013年、案の定「ダットサン GO」と「ダットサン GO+」という安価なだけが目玉の実車を目にし、不安は決定的になりました。僕は敢えて、これをゴーンさん最大の失敗と断言します。ブランド・ヘリテイジがわかってない。人種で決めつけるのはよくないかもしれませんが、彼が生粋の欧米人ならこんな失敗はしなかったはず。「ブランド資産・遺産をいかに高いカネに換えるか?」を常に考えている欧米人にはあり得ない。安物思想からいいものは生まれないのです。

インフィニティが日産ブランドの真上にあるとしたら、ダットサンの位置づけは日産の斜め上にあるべきなんです。ちょっとプレミアムなスポーティ路線という意味です。ダットサントラックというベリーベーシックなトラックもありましたが、ピックアップとしてはカッコ良かった。余談ですが、サニー トラック、ダットサン トラックという名車、なんとなくスポーティーなイメージありませんか?

そんなダットサンを、あろうことか日産ブランドの真下に持ってきてしまった。こうなったらダットサンはいったん廃止して、人々が今のダットサンを忘れたころに復活させるしかないのではないでしょうか?

(ジャーナリストコラム 文:大田中秀一)
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大田中秀一(おおたなか しゅういち):自動車エッセイスト
ジャカルタで過ごした少年時代、バジャイ(現地の名物三輪タクシー)を無免許で走らせクルマに目覚める。インドネシア語と英語を操るトリリンガルで、某電池系大手企業の国際営業部、父が経営するインドネシア企業を経て、現在複数のクルマメディアに寄稿中。語学力と押しの強さを武器に、世界のモーターショー巡りをライフワークとし、バスにまで及ぶ知識は仙人の域。

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