横浜ゴムの欧州向けオールシーズンタイヤを体感。アイスは厳しいが国内も検討中
掲載 更新 carview! 文:竹町 昭男/写真:横浜ゴム
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中でも最も注目を集めたのは、スタッドレスと最新オールシーズンタイヤの比較試乗だ。
2018年秋に欧州でリリースした最新モデルの「ブルーアース4S・AW21(以下ブルーアース4S)」は、コンパウンドとパターン技術で夏冬トータルの性能を向上。世界最大の国際規格設定機関、ASTM(旧米国試験材料協会)のスノー性能認定を受け、三つの山に雪の結晶をあしらった“スノーフレークマーク”が刻印してある。欧州ではさらに厳格な“R117”の規定があって、これらをクリアしたタイヤだけが7度以下の冬季に走行可能。法律で厳しく規制され、非認定タイヤは保険が適用されない。
ブルーアース4Sは日本の冬道でどのような実力を発揮するのか。最新スタッドレスの「アイスガード6」と比較した。
ブルーアース4Sのパターンデザインは欧州オールシーズンタイヤのトレンドである回転方向指定タイプのV字溝を採用。センター部は溝やサイプを多く刻み雪路グリップを追求する。一方、ショルダー部は横方向に大きなブロックを配置してドライやウエットのハンドリング性能向上を狙ったことがわかる。コンパウンドに吸水剤は配合していない。
パターンを見る限り、ショルダー部もしっかりサイプが刻んであって、雪路のグリップは良さそうだ。さっそくブルーアース4Sを装着したマツダCX-5で走り始める。
ブルーアース4Sの圧雪路トラクションは十分に高く、簡単に発進加速できた。スタッドレスほどではないがブレーキも十分に良く効く。横方向グリップは少し低く、コーナリングでは滑りぎみ。サイプの効果か、粘りはあるので不安を感じることはなかったが、凍った根雪が露出した路面では若干滑りやすかった。
アイスガード6に乗り換えると、圧雪路のグリップはとても高く、発進加速、ブレーキング、コーナリングなど全体的に安心感は絶大だ。凍結が露出するコーナーを攻めても、吸水剤やサイプのエッジがしっかり効いて、狙ったラインをトレースできる。
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