マクラーレンの拡大新戦略、600LTはお飾りじゃない味わうためのスーパーカー
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:マクラーレン・オートモーティブ
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:マクラーレン・オートモーティブ
実際その内容は443万円差とは思えないほどの充実ぶりだ。前述したようにベース車は570psの570S。しかしパーツの23%は新作で、全体で100kgも軽量化。新作率としては675LTより小さいものの改良メニューは豊富で、シート、ホイール、アルミサスペンション、カーボンブレーキ、エキゾースト、ハーネス、カーペット、ガラスをすべて軽量化。さらにルーフ、フロントフェンダー、サイドシル、リアウィングをすべてカーボン化。エアコン、オーディオ、ドアポケット、グローブボックスは基本取り外し済みで、一部オーダーで付けることもできる。
中でもシートはいかにもLT用で、カーボン素材むき出しでクッションは薄くこれだけで21kgも軽量化。そしてエンジンはお馴染みのマクラーレンオリジナルの3.8LツインターボV8をリファイン。出力を30馬力上げて600psに。最大トルクも620Nmに上がっている。ギアボックスも570Sと基本同じ7速SSG(シームレスシフトギアボックス)だが、よりシフトチェンジが早められている。
なおマクラーレンによれば100kgの軽量化は、60psのパワーアップに相当するとのことでこれを額面通りに信じると570Sと比べ、90ps上がっている計算になる。しかしそれもあながちオオゲサではなく、0-100km/h加速は2.9秒と3.0秒のフェラーリ488GTBより速く、ランボルギーニ・ウラカンペルフォルマンテに匹敵するレベル。そう考えるとつくづく安い。
加え、足回りは8mm車高を下げているだけでなくスプリングは570Sに比べ、フロントが13%、リアが34%高められ、これは675LTより硬いレベル。またアンチロールバーもフロントが50%、リアが25%も硬くなっている。そのほかブレーキはスーパーシリーズで使っている軽量カーボンブレーキを使っていて、タイヤはセミレーシングタイヤのピレリ Pゼロ・トロフォオRの600LT特注モデル。なにからなにまで専用設計なのだ。
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