マクラーレンの拡大新戦略、600LTはお飾りじゃない味わうためのスーパーカー
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:マクラーレン・オートモーティブ
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:マクラーレン・オートモーティブ
新型マクラーレン「600LT」にハンガリーの国際サーキット、ハンガロリンクで乗ってきた。一見するとユーザー限定のスパルタンな少量生産車にも見える。LTはロングテールの略で、歴史を振り返ると当時ル・マンで活躍した1997年型マクラーレン「F1 GTR ロングテール」が元祖。まさにサーキット用レーシングマシンで、空力を考えてテールを伸ばしているからロングテールなのだ。いわば日産 GT-R ニスモの「ニスモ」のようなイメージである。
そしてル・マンから18年、2015年に登場した2台目のLTが「675LT」。コイツは公道も走れるスパルタンモデルで、ベースはスーパーシリーズの「650S」。エンジンパワーを25psあげて675psにしているだけでなく、ボディパネルを35%、シャシーを30%新作して約100kg軽量化。価格は650Sより1000万円以上高い4353万円強。しかしクーペ、スパイダーそれぞれ500台限定でスパイダーは3週間で売り切ったとか。
で、本題の600LTである。車名数字がパワーを表すマクラーレンとしては一見前の675LTより大人しくなったようにみえる。が、本質はそこではない。現在マクラーレンはざっくり1億円以上のアルティメットシリーズ、3000万円以上のスーパーシリーズ、2000万円以上のスポーツシリーズで松竹梅の如きシリーズ分けがなされているが、600LTは実はスポーツシリーズ。一番ベーシックなカテゴリーで初めて「LT」を作ってきたのが最大のトピックなのである。
しかも価格に注目で、ベースとなった2556万円のスポーツシリーズ、「570S」の400万円ちょい高の税込2999万9000円。マクラーレン本気のLTモデルでなんと3000万円切りは相当に安い。販売台数も限定されない、今までになく親しみ易い軽量ハイパフォーマンス・マクラーレンなのだ。
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