新型インプレッサ・プロトタイプに試乗。車格超えの走りと質感
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:篠原 晃一
『愛でつくるクルマが、ある』 多くの人が乗るクルマだからこそ、全ての人から愛されるグローバルクオリティを。資料の冒頭に書かれたこの表現に、無機質な機械であるクルマなのに…、と思う方でも次のように説明されれば意味が解るだろう。それはクルマ自体の作りもさることながら、スバルが自動車メーカーとして社会的責任を果たそうとする強い思いに表れている。その典型的な例が、現行インプレッサの価格帯を引き継ぎながら、乗員保護エアバッグは当然として、コストの掛かる歩行者保護エアバッグ、さらには最新のアイサイトver.3を全車に標準装備してきたことにある。
それは今現在のアイサイト搭載率83%を100%にする第一歩でもあり、このような装備は販売台数が多い売れ筋の価格帯のクルマに付けてこそ真価が高まるという思いがあるのだろう。まだアイサイトを体験したことのない方にお伝えしておくと、一度その世界を知ってしまうと、不思議と同様装備の無いモデルに乗ると慢性的な不安を感じてしまう。それほど、衝突被害を軽減してくれて、状況によっては衝突を回避してくれる“かもしれない”装備の安心感は計り知れない。
ちなみにスバルの調査では、乗員を含めて人が怪我をする人身事故率は61%減少。さらに詳しく見ると、クルマ対クルマの事故は83%減り、人対クルマは52%減ったというのがアイサイトの効果。もう解ると思うが、今の課題は歩行者など人との接触事故の被害をいかに軽減するかにある。クルマを運転する方は意識するべきだが、今はクルマの衝突安全性能が上がった効果もあり、死亡事故の半数以上が歩行者などの非乗員という状況。乗員をいかに守るかも大事だが、次世代への課題はいかに非乗員である車外の人を守るかが大事。
街中を走っている比率の高い、コンパクト系のボンネットが小さいモデルは、歩行者と接触したときに頭がボンネット上端の硬い部分に当たる確率が高く加害性が上がる。しかも歩行者と接触するケースでは、アイサイトなど最新の衝突被害軽減装備でもケアしづらい横からの飛び出しが多い。だからこそ、歩行者保護エアバッグの標準装備にスバルがこだわるわけだ。『愛でつくるクルマが、ある』の意味、伝わっただろうか。
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