新型アルトの完成度は? まるも亜希子が試乗
掲載 更新 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:篠原 晃一
目に見えるキャッチーな驚きから、内に秘めたるクールな驚きへ。それが、初代デビューから30年という月日が、アルトにもたらしたものではないだろうか。
若い世代には耳慣れない言葉だが、かつて軽自動車の主流となった“ボンバン”の元祖が、1979年デビューの初代アルトだ。当時、商用車には物品税が課せられず、税金や保険料が安く済んだ。そこで、乗用の2ドアセダンの後席を倒して荷室になるようにし、商用車規定の床面積を確保して商用バン登録をする手法が編み出された。ベースのフロンテにもともとあったガラスハッチを、バンパー付近まで開く大型のテールゲートにお色直しをして、商用バン登録の2ドアセダン、アルトが完成。それがボンネット・バン、略してボンバンというわけだ。
こうしたカラクリと、徹底したコスト削減によって実現した47万円という価格だが、当時でも中古車価格の相場ほどだったというから衝撃的だ。安くて便利なアルトは爆発的なヒットとなって、ダイハツやスバル、三菱がすぐに追従し、ボンバンはすっかり定番化した。スタイルも使い勝手も価格も、すべてが驚きだったアルトは、その後もスカートを履いた女性の乗り降りに配慮した回転式シートなど、次々と世間を驚かす。そして代を重ね、ついに7代目となった新型アルト。今回も驚きでいっぱいなのだが、残念ながらあまり気づく人はいないだろう。その驚きの大半は、目に見えない部分にあるからだ。
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