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まぎれもないシトロエン 吉田匠が新型C5を報告

新型C5は、まずは眺めて好し

今年3月にポルトガルの国際試乗会で接して「いいじゃないか!」と思ったシトロエンの新型C5が、それから半年足らずで日本に上陸、4モデルが発売開始された。2リッター直4エンジン+4段ATの『C5 2.0』、3リッターV6エンジン+6段ATの『C5 3.0エクスクルーシブ』の2つの仕様に、それぞれ4ドアセダンとステーションワゴンの2種類のボディが用意されて、合計4車種。これまでフランス式に「ブレーク」と呼ばれていたステーションワゴンが、イギリス風の「ツアラー」という呼び名に変わったのも注目点だろう。プライスは2.0のセダンが399万円、ツアラーが419万円、3.0のセダンが479万円、ツアラーが499万円という微妙な設定。そこでまずセダンの3.0エクスクルーシブに乗ってみた。

乗り味の話を進めるまえに、別の魅力についてひと言。新型C5はまずルックスがいい。個性的ではあるものの、なにやら理解しがたい部分のあった先代C5と違って、新型C5のスタイリングは、セダンもツアラーも素直にカッコイイと思えるカタチをしている。これまでのシトロエンからすると全体にドイツ車っぽいという印象を与え、とくに一筆書きしたようなキャビンのルーフラインなんかはアウディを連想させる。けれどもやっぱりアウディではなくてシトロエンのクルマになっているのは、シトロエンのマークであるダブルシェブロンのモチーフを表現したフロントグリルや、リアよりもフロントのオーバーハングの方が長い伝統的なプロポーションに加えて、ドイツ車のそれより温かみのある独特の面使い、といったところから来ているのではないかと思う。

インテリアの雰囲気と仕上げもいい。ここにはエクステリアと違ってドイツ臭は感じられず、シトロエンらしさがストレートに表現されているが、それでいてダッシュボードなどのフィニッシュはこれまでのフランス車からイメージするよりキメ細かい。とくに3.0エクスクルーシブの場合、レザーシートが標準なのでラグジュアリー感も充分にある。室内とトランクの広さは驚くほどではないが、充分な空間が確保されているのは間違いない。

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