「ID.バズ」のキャンピングカーが延期された納得の理由。朗報はエンジン車「T7」ベースの新型発売
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 1
掲載 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office 1
ヨーロッパの街中あるいは郊外におけるストリートウォッチングで不思議なのは、アメリカのようにオープンな荷台をもったトラック、アメリカで言うところのピックアップをほとんど見かけない事である。
その理由は簡単でドイツ運輸省の規定で走行中に荷室&荷台は完全にカバーされていなければならないとあり、荷物や道具をひょいっと乗せて簡単に運ぶことが出来ないのだ。確かにカバー無しでアウトバーンを高速で走れば荷物が飛ばされることが大いにあり得るのでこの規則は正しいと思う。
しかし、それゆえにこのオープンな荷台ゆえに便利さで売れているピックアップ、特にミッドサイズは全くと言って良いほど見かけない。
そんなわけで牽引型の大型トラックを除いて、ドイツの商用車の殆どは立派なカーゴスペースをもったバンが主流なのだ。よく見かけるのが“ワーゲンバス”の名で知られるフォルクスワーゲンの「マルチバン」(Tシリーズ)やメルセデス・ベンツ「Vクラス」、輸入車ではフィアット「デュカト」やルノー「マスター」である。
アウトドア志向の人達の間でこうした商用車をベースにしたキャンピングカーが普及しているが、特にドイツではコロナ感染拡大を境に家族単位の旅行用として人気が出てきている。その筆頭格が先のTシリーズをベースにしたキャンピングモデルの「カリフォルニア」で、当初は社外のキャンピングカーメーカー「ウェストファリア」が手掛けていた。
しかしアウトドアブームによって需要が拡大したのを見たVWは、2016年に自らの商用車部門が手掛けた先代の「T6」をベースにしたカリフォルニアを発売。そして2022年にマルチバンのBEVバージョンとなる「ID.バズ」が登場すると、当然のことながらバズをベースにしたカリフォルニアのBEVバージョンへの期待が高まってきたのだ。
そしてこの期待に応えるように、フォルクスワーゲンの首脳陣は2021年12月にバズをベースにした電動キャンパーに対するゴーサインを下している。しかしその後、発売に関するニュースは今になっても届いて来ない。
その理由は当初、重量の問題と言われていた。すなわち総重量が3トン近いID.バズのロングホイールバージョンをベースにしたキャンパーの場合、特にポップアップルーフなどを加えると自重が3.5トンを超えてしまう。そうなると欧州では普通免許では乗ることが出来ず、ワンランクアップした新たな免許証を取得しなければならなくなるのだ。
この問題はユーザー側の努力でどうにか解決できるのかもしれないが、そうこうしているうちに、すでに世界中でEVに対する買い控えが問題化、このBEVバージョンのカリフォルニア開発計画はどうやら延期あるいは頓挫してしまったようなのだ。果たして再び日の目を見るのだろうか?
(次のページに続く)
|あわせて読みたい|
>>こっちがクール? 「ID.バズ」の“廉価モデル”はドレスアップも似合うゴツさ全開デザインだった
>>新「ゴルフ」発売&「バズ」も日本発表へ。VW怒涛の新型モデルラッシュ×6台を解説【一部訂正あり】
#カリフォルニア #キャンパー #フォルクスワーゲン #バズ #T7 #マルチバン #エンジン
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
“EV”の「Gクラス」実際どう? 「Aクラス」4台分のパワー誇る「G 580」が凄すぎ!? メルセデス・ベンツ史上最強の「オフローダー」の実力とは
「バック駐車」に勝るものはない! 「前向き駐車」を推奨するメディアに一言 英国記者の視点
ランボルギーニのポリスカー3選…イタリア警察で活躍したファイティングブルの任務は? スピート違反取締ではなく緊急医療対応でした
23XIとFRMによるNASCAR独占禁止法訴訟は長期化へ。仮差し止め命令適用でチャーター購入は一部承認か
『ホンダNSX GT2(1994年~1996年)』オール日本人クルーで掴んだル・マンの栄冠【忘れがたき銘車たち】
「ゴツゴツ鳴らない」高速道路の橋、その仕組みは? 全部を“非ゴツゴツ化”できる? 昔は「鳴るのが普通」
ルノー『アルカナ』改良新型、展示・試乗イベント開催へ…2025年新春に東京と兵庫で
約183万円! スバル新型「シフォントライ」登場の反響は? 660cc「直3」エンジン&スライドドア搭載! タフ顔の「5ドア“軽”SUV」に「興味ある」声も
キャデラックのラグジュアリーSUV新型「リリック」が2025年春に上陸へ! 全長5mの“威風堂々”とした電動モデルはどんなクルマ?
さようなら、Bowさん【長尾循の古今東西モデルカーよもやま話:第2回】
ネット通販ですぐに荷物が届かなくなってから嘆いてももう遅い! 荷物の3割が運べなくなる「2030年問題」に危機しか感じない!!
ゼロスポーツ、エンジンルーム内の温度上昇を抑える『BRZ/GR86』用「クールインシュレーター」発売
【ホンダ同門対決】維持費とリセールで勝る N-BOX、走りと使い勝手でリードするフィット、幸せになれるのはどっち?
【売り切れ必至か】1000台限定の受注生産モデル、マツダ「ロードスター 35周年記念車」予約受付開始
【気付ける?】バッテリーから見た目、走りまで…三菱「アウトランダー」の改良が“フルモデルチェンジ級”だった
【レガシィ、ステージア世代に乗ってほしい】新型「パサート」試乗 ドライブ好きならSUVよりワゴンでしょ
【新旧エクストレイルをカスタム!】ポタ電10台搭載の災害対応キャラバンなど、日産の「オートサロン2025」出展車両を事前公開
新型「レクサス GX」争奪戦は年始~。公取協の指導で“先着順”のフェアな販売に変わるのは朗報!
【今年はコスパ元年】フロンクスからランクルまで、お手軽予算や最強リセールで覚えておくべき車5選
【ホンダの逆襲】新型「プレリュード」が“ハイブリッド革命”と話題に…エンジンの超進化が向かう世界
【発売秒読み!?】マツダ、2.0Lチューンドエンジン×幌の高性能「ロードスター」市販予定仕様を公開【TAS25】
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!