次期911フォト ギリ出し 14年ぶりシャーシ一新
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:ポルシェAG
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:ポルシェAG
14年ぶりに一新されたプラットフォームを与えられた新型911は9月のフランクフルトショーでワールド・プレミアされ、12月からドイツを皮切りに欧州で発売される。
新型はホイルベースが100mm延長されたが、全長が4490mmに押さえられているため、結果的に前後のオーバーハングが短くなり、サイドビューが引き締まって見える。車幅は1870mmと65mm広がり、高さは11mm低められた。
フロントデザインでは1994年まで生産されていた964のように、フェンダーの峰から続く楕円形ヘッドライト・ユニットが隆起しているように見える。また、サイドミラーはドアマウントに変更され、形状も菱の実状に戻っている。ポルシェでは空力特性の改善とワイドな感じを出すためのデザイン上の変更と説明しているが、おそらく風切り音の減少にも役立っているのではないだろうか。
リア周りではエンジンフードは開口部が浅くなり、スポイラーに設けられているエアアウトレットのスリットが3本になった。LEDを装備したテールライトは角の取れた矢尻のような形状である。ナンバープレート・プレート取り付け場所は台形にえぐられ、その下の両脇に新たに設けられた小さなリフレクターの下からカレラは楕円形、カレラSは円形2本出しのエグゾーストパイプが覗いている。
5連丸形メーターを持つインストルメント・パネルはほぼそのまま継承されているが、これまで低い位置にあったナビ&マルチインフォメーション・モニターはエアアウトレットの直下に移動し、同時に大型化された。センターコンソールも全体に高くなり、その結果シフトレバーがステアリングホイールに接近し、操作性が向上しているはずである。
スタンダード・カレラの水平対向6気筒は3.6リッターから3.4リッターへとダウンサイズされたが、逆に最高出力は345psから350psへ、最大トルクは380Nmへと向上している。カレラSも15psプラスの最高出力400ps、最大トルク440Nmへとそれぞれ向上している。
トランスミッションは世界初となる7速マニュアル。もちろん7速PDK(デュアルクラッチ・システム)もオプションで選べる。0-100km/hの加速所要時間は、PDK仕様でカレラが4.6秒、カレラSは4.3秒。最高速度は302km/hと発表された。
新型シャシーはホイルベースが延長され、前後のトレッドが広がり、トーコントロールをアクティブ制御するリアアクスルも採用された。さらにオプションで選択できるPDCC(ポルシェ・ダイナミック・シャーシ・コントロール)には新しくロール・スタビライザーが用意され、コーナリング時のダイナミック性能は一層向上しているはずだ。
ダウンサイジングされたスタンダード・カレラは欧州ニュードライビング・サイクルで100kmあたり8.2リッターと、燃費を約16%改善してきた。CO2排出量も194g/kmと、このレベルのハイパフォーマンススポーツカーで初めて200g/kmを下回った。もちろんカレラSの燃費も100kmあたり8.7リッターと約14%改良されている。
燃費改善技術ではポルシェとして初のEPS(エレクトリック・パワーステアリング・システム)の採用に注目したい。従来の油圧ステアリングに負けない、ポルシェ特有の精緻さや路面からのフィードバックを実現していると同社は特筆する。
ドア・パネル、ボンネットを始めアルミの採用範囲を拡大した結果、重量は997と比較して45kgの軽量化。アイドリング・ストップ・システムも全モデル標準で、さらにPDK車はコースティング走行が可能になった。回生ブレーキや、アダプティブ・ジェネレーターによるサーモエネルギー・マネージメントも組み込まれる。こうした技術はおそらく、2016 年の登場が噂されている911ハイブリッドへの布石であるに違いない。
スタンダード・カレラのベース価格は8万8037ユーロ(約970万円)、カレラSが10万2436ユーロ(約1127万円)と発表されている。※共にドイツの付加価値税19パーセント込み。
ログインしてコメントを書く
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
SP忠男から Z650RS(’24-)用フルエキ「POWERBOX FULL 2in1ステンポリッシュ」が発売!
「e-BIKE」ってなに? ペダル付き電動バイクとの違い
三菱「新型デリカ」発表近い!? 超ビッグ&タフな「SUVミニバン」発表で「出たら即買う」の声! 度肝抜く「D:X」登場で期待ヒートアップ!?
モータージャーナリスト修行中のZ世代クルマ好き女子がトムスの本物フォーミュラカーFIA-F4を初体験してきた件
アウトドアを楽しもう…アンダーソン・パークとコラボ、「ワールド・ミュージック・デイ」でレクサス GX を起用した映像公開
カッコよさ重視のデザインに!! 燃費29km超えの[カローラツーリング]はハンドリングが抜群!
【BYD シール】「売れるかは未知数」縮小する日本のセダン市場で、中国のEVはどう戦うのか
アウディの高性能SUV『RS Q8』、600馬力ツインターボ搭載…発表
「えっ!」捕まるのはイヤだけど…乗ってみたい!? 爆速「“2ドア”パトカー」3選
専門店もあるのにPBブランドまで展開! いまホームセンターが「カー用品」を充実させる理由を大手に聞いてみた
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「モビリティ業界の新規事業のつくり方~ヤマハ発動機の成功と失敗に学ぶ~」
ハミルトンへの嫌がらせ告発する怪メールに警察「犯罪行為無し」と結論。チーム側には今後に向けアドバイス与える
大幅改良で走りが激変「ヴェゼル」の買いは最上級「Z」の4WD。新設定ハントパッケージの評価は?
日産の新型3列SUV「インフィニティQX80」が米で7月発売決定。打倒レクサスLXとして日本導入ある?
本当にスポーツタイヤ!? グッドイヤーの新作「アシンメトリック6」は静かで軽い“摩訶不思議”な万能選手だった
続々PHEV化で完成するレンジローバーの唯一無二の世界観。その裏で過激なV8モデルも準備中!?
【本日発売】BYD「シール」は乗るとどう? 中華高級EVのガジェット感とコスパは日本で通用する?
アメリカ人がマツダ車を“発見”した? 「CX-70」ほか軒並みセールス絶好調の背景とは
もう待ちきれん! 新型「フォレスター」いつになったら発売される? eボクサーはどうなる?
サンクをアルピーヌが魔改造!? A110譲りのハンドリングのホットハッチ「A290」発表。日本導入は?
次期型の行方にヤキモキするファンも注目、幹部が断言する「半端な新型GT-Rは作らない」の中身