【試乗】これならスイスポいらないかも!? 新型スイフトはやっぱりマジメなクルマだった
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一 76
掲載 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一 76
硬さの主軸となっているのはエコタイヤ(ブリヂストン エコピア EP150)の特性によるもので、Bセグのベーシックカーが環境性能を重要視するのは仕方のないところ。タイヤの変形を抑えて加速時のエネルギーロスを防ぎ、これをスムーズに転がすための剛性が必要であり、その分突き上げる印象は強くなる。
対して足まわりは、こうしたタイヤの剛性感を生かす方向でスポーティにまとめられている。ダンパー自体は割としなやかに追従しており、早めにバンプラバーをじわりと当てるなどして、総合的にはシャキッとした印象となっていると感じた。
またスイフトはハイブリッドでも950kg、ガソリン仕様だと910kgという軽さだから、速度が低い領域だと路面によってはハーシュネスを感じる。対してボディは先代からのキャリーオーバーだが、依然として剛性感は高くバイブレーションがよく抑えられている。つまりシャキッとはしているが、不快感のない仕上がりになっていると感じた。
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新開発の3気筒エンジンは、予想以上に好印象だった。
マイルドハイブリッドだけに冷間時のスタートではエンジンが“ブルン”と始動するが、走り出してしまえば振動が少なく、バルクヘッドまわりの遮音性の高さも相まって室内は静か。むしろタイヤのロードノイズの方が大きいくらいだった。
街中ではモーターがかいがいしくアシストし、加速時にもエンジン回転を大きく上げさせない。またCVTとの協調制御も見事で、アクセルを踏み込んだ際も加速と音のずれがない。いわゆるラバーバンドフィールが起こらないから、気持ち良くエンジンを回していく感覚が得られる。
アクセルをオフにすれば静かに空走し、再び踏めばリニアにトルクを追従させてくれる。ちなみに今回開発陣はパドルシフトの制御をに力を入れたとのことだったが、CVTの制御はDレンジの方が優秀だと感じた。アップ側のシフトはとてもスムーズだが、ダウン側のレスポンスがまだまだ鈍い。
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こうした足まわりとパワーユニットのおかげで、ワインディングでの走りは実に楽しい。操舵に対するフロントタイヤのライントレース性はタメがなくスムーズで、割と高めな重心に対してロールもきちんと抑えられている。
ペースを上げると操舵レスポンスはやや鈍るが、それはダンパーのコンプ側(縮め側)減衰力を上げすぎていない、つまり足まわりを攻めすぎていない証拠だ。こうした状況でもブレーキで適切なフロント荷重を与えてあげれば舵が効いて、クルマと対話しながら気持ち良くコーナーを曲がることができる。そう、確かにスポーティではあるけれど、決してやり過ぎてはいないのである。
高速巡航でも、その良さは現れた。しっかりした足腰のおかげで直進性が高く、ACC(アダプティブ クルーズ コントロール)を効かせたときの操舵支援がスムーズ。またエンジンも街中同様に静かで、常用域となる2000~3000回転での音量が小さく抑えられていた。
追い越し加速で絶対的な速さはないが、出足の良さがそれを補ってくれるからストレスもない。通常の流れの中であれば、十二分に快適な高速移動ができるだろう。
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