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メルセデス初の電気自動車EQCの極上の走りと、幾つかの悩ましい課題

プラットフォームを流用したデメリットも存在

専用プラットフォームを起こさず、ガソリンモデルの「GLC」のものをベースにしたEQC。ボディサイズも全長4761×全幅1884×全高1623mmと近く、適度な室内の広さと扱いやすさを備えたSUVスタイルとなっている。

内装にも専用の加飾が施されているが、ダッシュパネルやセンターコンソールなどの全体構成はGLCそのもの。EVであることを感じさせるのは、センターモニターでパワーマネジメント関連の設定画面や表示画面が選択できることくらいだ。

さらに言えば室内スペースもGLCと変わらず、リアシートの足下にはセンタートンネルが残っている。ボディ剛性的には悪くないのだが、電気自動車らしいフラットなフロアじゃないのは残念だ。また、右折時などにAピラー周りの死角が多いという弱点も残されている。

ボディ下には80kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載され、航続距離はカタログ値で400km。夏場の街中走行中心という条件で試乗した電費は意外に伸びず、実際には300km前後の航続距離と考えるのが現実的だろう。バッテリー容量は巨大でも、いささか航続距離が短いという印象を持った。

その最大の要因は、約2.5トンというヘビー級の車両重量にある。なぜそこまで重くなるのか? 大容量バッテリーもそうだが、既存のプラットフォームを流用しているのが大きいと思う。もちろん、バッテリーが高額で利益率が低い電気自動車を採算ベースに乗せる上で、専用プラットフォームを開発するコストまでは掛けられなかったというビジネス判断は評価できる。

航続距離は短くても80kWhに掛かる充電時間はそれ相応で、普通充電で13時間、急速充電(日本で一般的なチャデモの50kW)でも80分かかる。つまり、近距離移動メインか複数台所有者用としてメルセデスは割り切っているのだろう。

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