究極Gクラス、G65AMG 63AMGも届かない頂点
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:菊池 貴之
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見た目においては、リアタイヤ直前の左右出しマフラーや、大きなブレーキローターに赤いブレーキキャリパーなどがベース車両との違いだが、最も注目すべきはエンジンルームだ。この空間にツインターボで武装したV12エンジンをよくぞ詰め込んだと思うほどギュウギュウ。熱対策はどうしているのか確認すると、大きく口を開いたAMG専用デザインのフロントバンパー内部にまで、各種ラジエターがギッシリ。ぶつけたら高くつきそう…などと、普通人の目線でこのクルマを見てしまいまたまた反省だ。
「それにしても、V8エンジンを搭載したG63AMGがラインナップにあるのにここまで苦労してV12を積むのはなぜか? ダウンサイジングが主流の中で今もなお大きいエンジンが高級でエライという発想からなのか…」あれこれ考えつつ運転席へ…。
室内もG65AMGは特別。肌触りが優しい最高品質ナッパレザーにダイヤモンドステッチを施したdesigno特別内装が、シートやドアパネルに施されている。専用ピアノラッカーウッドトリムと相まって、座るのも躊躇しそうな高級家具の様相があり、走り出す前にその内装の高い質感に魅了された。
そしてエンジンを掛けた瞬間、なぜV12エンジンを苦労して搭載したのか、G63AMGに満足できない人に何を提供しようとしたのか、その解答のひとつにたどり着いた。
まず始動がとてもスムーズ。無駄なエンジン振動がなく、シルキーという表現が使えるほどしっとりしている。そこにブオンッという重厚感がある排気音が加わり、音圧に圧倒されつつも心地よ優しさを感じる不思議な感覚だ。アクセルを深く踏み込めば、それに応じてクルマ全体を揺らすほどの勢いでブオッブオッと歯切れ良い刺激あるスポーツエンジンらしい排気音の響きや反応を示すが、この特性と前述した心地良さという2面性を兼ね備えられるのは、V12だからと断言しても良いだろう。
驚きはまだまだ序の口。ここからがG63AMGで満足できない人の為のG65AMGの凄さが本格的に発揮されるし、3250万円の価値を肌身で感じられる場面なのだ。
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