ヒット作は引き算で狙え 三菱RVRにみる企画力!
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:篠原 晃一
さらに驚くのが走りだ。これまた予想外に質感の高い、何種類かの黒い樹脂パネルを組み合わせたインパネに包まれ、走り出すとまずは剛性感に驚く。アウトランダー譲りの、いかにもSUVを思わせる全体の堅牢さはもちろん、太めのステアリングから伝わってくるしっかり感が凄い。細かい石畳を走った時に、ビリビリした振動を感じさせるほどで、オフロードでも安心して走れるはず。
乗り心地もある程度ゴツゴツしていつつしなやかで、特に高速道路ではフラットさに驚く。聞けばアウトランダーより乗り心地に配慮したようで、小さい分、逆にしっかり感を強調したかったようだ。
パワートレインはこれまたRVRらしく、必要にして十分な1.8リッター直4DOHCのMIVECエンジン1本。最高出力139psと1.3t以上の車重を考えると若干物足りないが、効率のいい6速スポーツモードCVTと相まって、それなりに活発に走る。ブレーキも剛性感タップリで、今回試すことはできなかったが、悪路でも問題なさそうだ。
駆動方式はFFと4WDが選べ、4WDシステムはアウトランダーとデリカD:5に使われ定評のある電子制御式。電磁多板クラッチにより前後の駆動力配分を行うもので、走行中にダイヤルでFF、4WDオート、4WDロックの3つのモードが選べる。まさに現代の標準的なハイテク4WDシステムだ。
唯一、気になるのは、ライバルの日産デュアリスなどと比べ、全体に軽快感がないことだが、RVRはあえてしっかり感を取ったという。これはこれで英断だろう。
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