フィアット「600e」に乗って感じた良い点・悪い点。デザイン・実用性は◎、本命は来春登場のハイブリッド?
掲載 carview! 文:編集部/写真:編集部 9
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500eと異なるのはその利便性の高さだ。コンパクトなボディながら、後席は172cmの筆者が座って何ら窮屈さは感じないし、トランクも日常使い~1泊2日程度の荷物は余裕で飲み込むサイズを誇る(通常時は360L、後席を倒すと最大1231L)。
国内発表会でステランティスジャパンの代表取締役社長の打越晋氏は「500に一回りではなく“百回り”の魅力をプラスした」という趣旨の発言をしていたが、500にはないこの実用性の高さは、今までそのデザインに惚れながらも購入を躊躇していた層には朗報に違いない。
イグニッションをONにして走り出す。BEVなので当然ながら静かにスルスルと走り出す。シートも座面がたっぷりとして安っぽさはなく快適だ。
着座した際の見晴らしの良さはフィアットの伝統だが、SUVに分類される600eは車高が高いのも相まって、狭い住宅街を通り抜ける際に目線が高く安心感があった。なお、ボディサイズは全長×全幅×全高=4200×1780×1595mm、ホイールベースは2560mmでヤリスクロスとほぼ同等。国内でそのサイズに困ることはほぼないだろう。
高速道路に入る。156ps/270Nmを誇るモーターは1580kgの車体を軽々と加速させるが、出力の出方は決してドッカン系ではないのも好感が持てる。アクセルのつきも自然で、一般ユーザーがガソリン車から乗り換えても違和感を感じないのではないだろうか。重たいバッテリーが床下にあるおかげか、高速巡行でもボディが安定しコーナーもスッキリと駆け抜けていく。
スポーツモードにするとより快活な走りを見せるが、やはりそこは電気的なデジタルな世界。
筆者はかつて500に搭載されていた「TwinAir(直列2気筒875ccターボエンジン)」のポコポコとした力強いフィーリングにドラマ性を感じていたので、デザインだけでなく走りのフィーリングにもドラマ性があると、このクルマがますます魅力的になるのではないかと思ってしまった。
しかし、購買層の半分以上は女性で20~30代の若者の支持が高い600e、エンジンのフィーリングにドラマを感じる筆者のようなクルマ好きはごくごく一部の少数派なのである……。この辺りはマイルドハイブリッドに期待したい。
(次ページに続く)
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