フォード・クーガに試乗 掘り出し物の予感!
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:篠原 晃一
ことのほか好印象だったのは走りだ。というか、私は乗ってこのクルマが好きになった。乗れば乗るほど印象が上がるのだ。
さて、凝った位置のイグニッションを押した直後のエンジン音は若干ガサツ。クオリティ感はさほどでもない。スペック的にも200psとほどほどの2.5リッター直5ターボで、燃費重視の直噴ターボなどではない。ただし、ヨーロッパ複合燃費を見ると車重1.6トンクラスでリッター9.7kmとそこそこ。悪くない。
何より乗った時のフィーリングがいい。元々、フォーカスSTといったスポーツモデル用の5気筒ターボなので、絶対パワーだけでなく、パワー感というか、盛り上がり方が気持ちいい。ギアボックスも5速ATというコンベンショナルなものだが、素直に違和感なくシフトチェンジをこなす。
一番の驚きはボディだ。ベースはフォーカスと同じC-carプラットフォームでホイールベースを50mm延長してあるが、剛性が十分あるのとリアサスがマルチリンク式になっており、乗り心地はいい。特別ソフトなセッティングではないが、大きなショックも小さなショックも見事に吸収する。
そしてハンドリングである。直線をゆっくり走ってる限りは極端な質感の高さは見せないが、一度切り込むとあまりのノーズの動きにビックリ。BMWのMINIに乗ってそのキビキビさに驚いたことがあるが、それにも似たものがある。切り込んだ時の手応えはSUVとしては十分に質が高く、これで300万円前半~という価格設定は安いと言ってもいい。
侮れないのが数々のハイテクだ。基本となる4WDシステムは、VWのティグアンなどと同じハルデックス社の電子制御モノで、発進時に自動で10%のトルク配分をするなど、制御はきめ細かい。試乗時も箱根のちょっとした砂利の上り坂での発進時、ビッと後輪まで力が加わり、妙な空転は皆無だった。
それだけじゃない。滑りやすい路面や危険回避で効果を発揮するESPやCBC(コーナー・ブレーキ・コントロール)やBLD(ブレーキ・ロック・ディファレンシャル)、荒れ地での横転を防ぐARM(アンチ・ロールオーバー・ミティゲーション)などハイテク装備も盛り沢山。要するに最新プレミアムSUVとして、他と比べて遜色ないのだ。
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