マツダSKY特集、第3弾 ディーゼルに革命を!
掲載 更新 carview! 文:伏木 悦郎/写真:マツダ、伏木 悦郎
掲載 更新 carview! 文:伏木 悦郎/写真:マツダ、伏木 悦郎
もうひとつ切り札的なアイテムを挙げるとすれば、2ステージとあえて断わるツインターボの存在だ。コモンレールディーゼルにとってターボは必要不可欠のメカニズムであるという。その意味は、パワーやトルクなどのダイナミックパフォーマンスを得るためにあるのではなく、十分な空気量を供給して排ガスをクリーンにするところにある。ツインスクロールなどの可変ターボではなく2ステージにこだわったのは、2000rpmまでの低回転域は小さいターボで効率よく空気を供給し、それ以上は大きなターボで大量に過給する。すべては論理的な考察の結果というわけである。
燃焼の基本に注目し、問題点の中にブレークスルーのポイントを見出す。その意味ではSKY-Gとも重なるが、出所が同じ鬼才:人見光夫パワートレイン開発部長の頭脳ということを考えればある種の共通点も納得が行く。SKY-Dの低圧縮比14による副次的効果として、高い圧縮圧力に耐えることから開放されたことでピストン、コンロッド、クランクシャフトなどといった構成部品の強度と質量を大幅に軽減できるようになったことがある。SKY-Gの14が高圧縮比でSKY-Dの14は低圧縮比。同じ数字が異なる評価となるところが内燃機関の奥深さということになるのだろうが、この数字の一致は生産が共通のラインで可能になるというもう一つの副産物をもたらした。
現在のマツダは乗用車のほぼ全量を国内生産で賄っている。超円高の為替環境では非常に厳しい境遇だが、SKY-Dは欧州のステージ6(ユーロ6)、北米のTier2Bin5とともに日本のポスト新長期規制にも対応している。CO2排出量は従来の138g/kmからハイブリッド領域に迫る105g/km(6速MT)を実現。SKY-DRIVEのデータは未公開だが、ここしばらくは(10年ぐらい?)は使える見込みが立ったといえそうだ。
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