マツダ新技術、より上質なGコントロールで快適性や安全性を向上
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一
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この日列席していた、マツダとともにG-ベクタリング・コントロールを研究・開発している神奈川工科大学の工学博士・安部正人さんは「人間はGそのものではなく、ジャーク(Gの変化)によって身体が揺さぶられて不快に感じる。だからG-ベクタリング・コントロールによって前後Gと左右Gを漸進的かつなめらかに移行させることで、ジャークが緩やかになったような効果を得ることができる」と説明する。
面白いのは、車載のGセンサーが前後Gや左右Gを検知し、それに反応するかたちでECUが前後Gを増減させているわけではなく、ECUはステアリングの操舵角と車速のみを検知して機械的、自動的に前後Gを増減させているということ。Gセンサーに反応するかたちでは遅く使いものにならないのと、操舵角と車速に連動する方法で例外なく最適化できるからだという。
また、前後Gを瞬時にわずかな量のみ増減させる必要があるため、スロットルではなく、ミクスチャーなどを変化させることによってコントロールしているという。いわゆる“セナ足”をもっていたとしても、それでコントロールできるレベルの話ではないということでもある。
タイヤの接地性が最適化されることで、例えば、これまで120km/hでのクリアが限界だったコーナーを125km/hでクリアできるようになる程度にはコーナリング性能が向上するそうだが、G-ベクタリング・コントロールの効能はあくまで乗員の疲労低減と快適性の向上と、タイヤの接地性を最適化させることによる安心感と安全性の向上だという。
他社にもトルク・ベクタリングなんちゃら……と「ベクタリング」という用語を用いたシステムがあるが、それらはヨー(垂直軸の回転運動)を増大させるシステムであり、G-ベクタリング・コントロールとは狙いが異なるという。
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