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GR ヴィッツはふだん乗りからチューンド感高し。目指すはAMGやMの世界観?

今回はヴィッツをチューンした「GR ヴィッツ」の試乗報告です。「GR」は2017年に以前の「G's」から生まれ変わったトヨタのスポーツブランド。上からGRMN→GR→GRスポーツという3段階のチューンがあります。チューンドカー好きの編集Kより“ヴィッツのGR”を借りたという連絡を受けたとき、不覚にも欧州版3ドア・ヴィッツ(ヤリス)をカリカリに仕上げたお値段400万円~の限定&頂点モデル「GRMN ヴィッツ」かと早とちりした編集Tですが、実際には2番目の「GR ヴィッツ」(229万2840円)でした。ちょっと残念。

GR中かなり本気目レベルのチューンが施される

しかし、駐車場でご対面したGR ヴィッツ、見た目にも前後バンパーほかのエアロからヤッてくれてます。ボディ剛性を高めるためのアーム類やブレース、スポット増し打ちなどが施されたこだわりは、工場に追加ラインを組み込める、メーカー直下のチューンブランドならではのもの。すでに売り切れたGRMNを除くと(マークXが続くという情報もありますが)、次のレベルに位置するGRを名乗るのは、このGR ヴィッツと「GR 86」のみなんですね。

クッション厚め&サイドサポートもしっかりしたシートに座り、テレスコピック付ステアリングを調整します。ABペダルにはアルミプレート。アルミ板に黒文字を印刷したようなメーターはやや古風で、インパネ周りも現行ヴィッツが登場して8年とあって、それなり。フロアから伸びたCVTのセレクターもスポーツ感がほしくなりました(5MTも設定)。

街中のちょっとした移動でも感じられる凄いモノ感

さて走り出すと、都心部を流すような低~中速シーンでも、フロアを強化されたボディや重めのハンドルからビシビシ伝わる重厚感に、チューンドカーならではの密度を感じます。205/45R17のポテンザRE050Aを履く乗り心地も、ザックス製サスペンションが細かく仕事をする印象。飛ばさなくても、凄いモノを走らせている気分が味わえるのはいいんじゃないでしょうか。

首都高速から東名高速へ、速めの流れではスポーツモデルならではの直進安定感が、中速以上のタイト目なコーナーではオン・ザ・レール感もあり。ただ、中高速域では路面の継ぎ目からのドスッという突き上げが腹に来ます。また、編集Kも言ってましたがハンドル中立付近のインフォメーションがもう一歩上ると、さらに自信を持って走れそう。もちろん絶対的なコーナーリング能力も高まっているので富士裾野のワインディングでは10段に切られたCVTの仮想ギアをコクコクしつつ、専用ブレーキの安心感もあって結構楽しめました。

残念ながらエンジンはノーマルだが…

GRMNは例外としてGRのエンジン系はノーマルのままなので、踏み込むとビーンとエンジンが回って後から加速がついてくるCVT感や、1.5Lエンジンのパワーはノーマルのまま。そこそこ走るとはいえ、そのあたりはTNGAを採用する次世代ヴィッツのGRで期待、という感じでしょうか。燃費は2名乗車メイン、都内徘徊~富士スピードウェイまでの往復で14km/Lでした。

というわけでGR ヴィッツ、意外やふだん乗りからチューンドカーの雰囲気が味わえるのが魅力かも。

GRブランド、編集が妄想するにドイツのAMGとかMのような存在も視野に入れている気がします。開発中の公道を走るル・マンカー「GRスーパースポーツコンセプト」が、ブランディングのアドバルーンとして機能する将来は、ベース車開発段階からタッグを組んだ高性能化に期待がかかるのはもちろん、そのデザインやセンス、世界観なども重要になってきそうな気がします。

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