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2024年は軽商用EVバン元年に。トヨタ連合vsホンダ、使いやすそうなのはどっち?

トヨタ連合はハイゼットカーゴをベースに開発中

「2024年は軽商用EV元年」になると言われています。

まず、トヨタ・スズキ・ダイハツの横断的プロジェクトで共同開発される軽商用EVは、すでに5月の広島サミットでプロトタイプが公開され、秋に開催されたJMS2023でもスズキが「eエブリイ コンセプト」を展示するなど、ほぼ量産間近の状態です。

<写真=eエブリイ コンセプト>

現時点で発表されている写真やスペックからすると、トヨタ・ダイハツ・スズキの3社が共同開発している軽商用EVのベースとなっているのはキャブオーバーバン(FRベース)の「ハイゼットカーゴ」で、一充電航続距離は200kmとアナウンスされています。

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ホンダはN-VANをベースに開発中

一方、軽商用車としては珍しいボンネットバン(FFベース)の「N-VAN」を販売しているホンダも、同車をベースにした軽商用EV「N-VAN e:(エヌバン イー)」を2024年春に市販することを発表済みです。ティザーサイトにて各種情報を公開しています。こちらの一充電航続距離は210km以上を目標に開発されているということです。

<写真=N-VAN e:>

ティザーサイトによると、N-VAN e:は、要充電インジゲーターが点灯した状態から、普通充電(6kW)であれば5時間で満充電状態に、また急速充電(50kW)では約30分で充電率80%まで回復できるといいます。

ここから粗計算すると、N-VAN e:の積むバッテリー総電力量は30kWh前後となりますから、たしかにモード走行であれば210km以上の航続距離は現実的な目標といえるでしょう。

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ガソリン代の高騰が軽商用EVの普及を加速させる

いずれも価格帯が公表されていないので、一般ユーザーがターゲットなのか、SDGsなどに対応する大企業などのフリートユーザーがターゲットなのか不明なところはありますが、2024年には、トヨタ・ダイハツ・スズキそしてホンダのエンブレムがついた軽商用EVを街中で見かける機会が急増するのではないでしょうか。

そう考える理由にガソリン価格の高騰があります。現段階(2023年11月時点)では、元売りへの補助金があることでガソリン価格は抑えられていますが、補助金が廃止されるとレギュラーガソリンでも200円/Lが見えてくることは確実といわれています。

ネット通販などで爆増している宅配業務を担う軽商用車は基本的にガソリンエンジンを積んでいますから、ガソリン価格の高騰は直接、利益を圧縮します。そうしたランニングコストについては電気によって走るEVのほうが有利なのは言うまでもありません。

軽商用EVの車両価格が多少高くとも、運送業であればランニングコストで、その差額はあっという間に埋まることでしょう。企業活動におけるカーボンニュートラルを実現するというSDGs的な大義だけでなく、実利を考えても軽商用EVへ乗り換えることはメリットがあるといえそうです。

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N-VANの使い勝手がEVで再評価される可能性もある

では、3社連合の軽商用EVとホンダのN-VAN e:、どちらが使いやすくて人気を集めるのでしょうか。

現在、軽商用バンの世界で一番人気の、よく見かけるモデルといえばスズキのエブリイバンというのは多くの人が認めるところでしょうが、スズキの軽商用EVについても前述したようにダイハツ(ハイゼットカーゴ)の車体を使うことになっています。

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つまり、軽商用EVについては「売れているクルマの使い勝手をそのまま継承したEVバージョン」は実質的に存在しないといえます。

そうして過去の実績を考慮せずに、ゼロベースで選択するとなるとN-VANの特徴である「助手席を畳んで、実質1シーターとして荷物を積める」、「助手席側のBピラーがなく、大きな荷物もスライドドアから積み降ろししやすい」というメリットが再評価されるかもしれません。

もっとも、ビジネスユースの厳しい目を満足させるには、リアルワールドでの電費性能が最重要なのは言うまでもありません。一日の業務において途中で充電することなく完遂できるかどうか、その点が『売れる軽商用EV』になるために必要な性能となることは間違いないでしょう。

ただしバッテリーを多量に積んで、車両コストが上がってしまっては軽商用EVとしてはナンセンスです。電動ユニット全体の効率化、宅配業務に特化したギア比の選定など、各社の知見が、軽商用EVバトルの勝負を左右するのではないでしょうか。

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写真:スズキ、ホンダ、ダイハツ、トヨタ

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