エレガント路線から転換 XJRに見る新生ジャガー
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:吉田 宏隆
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:吉田 宏隆
スーパーチャージャー付き4.2リッターV8の最高出力は406ps。しかし街中でも高速道路でも扱いにくさは微塵も感じさせない。スーパーチャージャーの長所は低回転域からコンスタントにトルクを引き出すことにある。太いトルクで、1770kgというオールアルミ製のボディをグイグイと引っ張ってゆく加速感は、蹴飛ばされるといった類のものではなく、力強い加速が息長く続くといった感覚のもの。言葉を換えれば、筋肉増強剤を使ってトルクを増幅した感じの加速感ではある。そこが自然吸気エンジンと異なる部分であり、好き嫌いが分かれる部分でもあるだろう。
もちろん、普段は有り余る動力性能を余裕としてリザーブしているため、クルマのほうから飛ばせ飛ばせと急き立ててくることはないし、アクセルの踏み込みに対しあくまでリニアに追従するため、右足の操作に必要以上の繊細さを求められるケースはない。だが、ドライバーが自らの意志でアクセルを深く踏み込めば、XJRはためらうことなく強大なパワーを大地に開放する。グンと後ろ足を踏ん張りながら猛然とダッシュしていく様子は、猫科の動物が狙いを定めた獲物を追う姿を連想させる。またそのときのサウンドが刺激的だ。ジャガーのV8は澄んだサウンドを奏でるが、XJRでフル加速すると遠くの方からスーパーチャージャーのウィーンという唸りがオーバーラップしてくる。エレガンスという点であまり高い得点は付かないが、音の正体を知っていれば、なんとなくニヤリとさせられてしまうだろうし、あえてXJRを選ぶようなドライバーなら、特別なエンジンを操っているという満足感に結びつくだろう。
足回りはノーマルのXJより硬め。しかし嬉しいことに、“猫足”と表現される軽快でしなやかなフットワークは健在だ。路面と決して喧嘩せず、しなやかに足を動かしながら凹凸をいなしていく様はまさに芸術品レベル。うねりのあるコーナーを滑るように駆け抜けていくときの気持ちよさは他のクルマではちょっと味わえない。従来のジャガーが得意だった「少し速めのスピードでワインディングを流す」のももちろん気持ちいいが、タイヤグリップ限界に迫るようなハードなスポーツドライビングにももきちんと対応する実力の持ち主である。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
【最新モデル試乗】BEVは速さの基準を変える! 0→100km/h加速3.6秒を誇るボルボEX30の刺激と洗練
アルファ ロメオ流儀の走りにこだわる限定仕様「INTENSA」をスポーツセダンとSUVに設定
角田裕毅、マックスのためのバトルで“不可解な罰”。区切りの年を振り返り「不運のなかで全力を尽くし能力を示した」
軽に頼るホンダ、軽で稼ぐスズキ! 「世界販売ランキング逆転」が浮き彫りに――分散戦略の脆さと集中戦略の威力とは
新車“約52万円”で“3人乗れる”! “丸目2灯”の「超“便利モデル”」がスゴイ! 全長2.2mの「小さいボディ」に“4速MT”搭載の「APトライク」とは
ロシア軍の戦闘機に「ドローン直撃」 一直線に突入する瞬間を捉えた映像をウクライナが公開
「レーサー直系ならでは」新時代の到来を主張したナナハンキラーに込められた技術とは【1980~1982】
北海道や沖縄にも“7000マイル”で行けちゃうって!? 4つの候補地から行き先が決まるミステリーツアー JAL「どこかにマイル」をどう使いこなす? 注意すべき点とは
カチコチのフロントガラスにサヨウナラ! アレをするだけでガラスの凍りつきが抑えられるの?
トヨタ“新型”「ハイエース」!? 全長4.7m級「4ナンバーサイズ」&超「広びろ内装」採用! 「ガソリンエンジン搭載」もアリ! 20年超え“全面刷新”な「ハイエースC」とは
ホンダ「リーダー」(1983年)【80年代に登場したホンダのバイク図鑑】
「昔からの仲間だし……」 なぜ運送会社は不正を通報できないのか? 白ナンバー不正や低運賃ダンピング、仲間意識が阻む業界浄化の現実とは
レクサス版「GR86」構想は本当にあるのか? 棚上げ状態から再始動の声が聞こえてきた背景
【いまさら聞けない】認定中古車のメリット・デメリット。購入者が主張する“意外な盲点”とは…どんな人に向いている?
290万円の「デリカミニ」登場で“価格天井”が崩壊。なぜ軽自動車の“高価格化”が止まらないのか
22万kmでも海外オークションで400万円超えた三菱「パジェロ エボ」。もし左ハンドルがあったらもっと高値になってたかも?
【知らなきゃ損】実は“革シート=動物が可哀想”じゃなかった。専門家が語るレザーの真実と、捨てられる牛皮“45%”の衝撃的現実
「クロスビー」が“実質フルモデルチェンジ”で昨対比269.8%と大復活。コンパクトSUVの王者「ライズ」を脅かす存在に!?
「N-ONE」一部改良。販売店には6MTの「RS」と「特別仕様車」に問い合わせ集中…「やっぱりMT車は運転が楽しい」の声も
【やっぱり大人気】長らく買えなかったガソリン仕様「RX350」が受注再開。購入者からは「コスパ最強」の呼び声も
【コメント欄で激論】「500万超えは厳しい」「アルファード買ったほうがいい」…「オデッセイ」一部改良に関する記事が話題
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!