メルセデスのTOPデザイナーにインタビュー
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:菊池 貴之
2008年からメルセデス・ベンツのデザイン部門を束ねるのがゴードン・ワーグナー氏だ。プライベートでは絵画とウェイクボードをこよなく愛す1968年生まれの若きデザイントップ。彼とは昨年10月のパリサロンでも言葉を交わしている。一見、デザイナーらしくないぼくとつとした印象の人物だ。が、話題が核心に迫ると表情が一変し、その口からは情熱的な想いが次々に語られ始める。「デザインとは過去と未来をつなげるものである」という哲学的な言葉はいまでも心に強く残っている。Sクラスをデザインするにあたって、ワーグナー氏は何を重視し、そして何を表現したかったのだろう?
「Sクラスのもっとも重要なコンセプトは、もちろんこのクラスのベストカーであることです。それに加え、我々が新型Sクラスで取り組んだのはモダン・ラグジュアリーの再定義でした。メルセデスは長い歴史と伝統をもつ特別なメーカーです。われわれはその魅力を父から子、子から孫へと次世代に繋げていかなければいけません。それがデザイナーとしての私の役目です。そこから導き出したのが"モダン・ラグジュアリー"というキーワードなのです。Sクラスは世界でもっともラグジュアリーなクルマですが、ご覧いただければ、今までにないモダンな感覚が入っていることを感じていただけるでしょう」
メルセデスの平均ユーザー年齢は、ライバルのBMWやアウディより5歳程度高いというデータがある。これはつまり、若いユーザーのハートを捉えられていないことを示す。ワーグナー氏の狙いは、そこに大胆に切り込んでいくこと。彼がデザインのトップに就いてから、メルセデスのデザインは変わり、CLSシューティングブレーク、Aクラス、CLAなど、より若々しく、アグレッシブなデザインが増えてきた。
新型Sクラスもたしかに変わった。モダンだし、止まっていてもスピード感を表現するフォルムにはスポーティーという表現すら当てはまる。とくに、フロントエンドからリアフェンダーに向け下降していく上部ライン、フロンドドアあたりからリアコンビランプに向け跳ね上がっていく下部ライン、なだらかなルーフラインの3本のラインはSクラスに躍動感を与えている。とはいえ、その根底にあるのは依然としてラグジュアリーカーの王道である威風堂々としたたたずまいだ。CLSやAクラス、CLAと比べると、全体的にシンプルな造形であるのも特徴だろう。
「そうです。Sクラスに与えたかったモダンラグジュアリーの鍵となるのが"センシュアル・ピュアリティ(ピュアな官能)"という言葉です。われわれはメルセデスというブランドがもつDNAをピュアな形で表現したかった。Aクラスのような小さなクルマでは大胆かつエッジのたったデザインでそれを表現しています。しかし、Sクラスのような大きなクルマでは、デザイン要素をいかにそぎ落としてピュアなものにしていくかが重要になってきます。このあたりは日本の"禅"の考え方にも影響を受けています」
シンプルさのなかに豊かさを表現する。これがモダンラグジュアリーを標榜する新型Sクラスのデザインテーマであり、そこに日本文化からのインスパイアが入っていると聞いて、少しだけ誇らしい気持ちになった。
次のページでは、今後のメルセデスデザインの方向性に関する実に興味深い話題をご紹介していこう。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
『ヒーローは誰だ?!』JAF競技大会を公開…横転車引き起こしと二輪車つり上げけん引 11月24日
“車”についてる「謎の板」意味ある? ド迫力な「羽」は日常でも“効果アリ”ってマジ? 賛否分かれる「リアスポイラー」の効果を試してみた
日産が「新型セレナ」をまもなく発売! 超スゴい「高性能4WD」&地上高アップの「イーフォース」追加! 待望の「性能向上モデル」に販売店でも反響あり
限定140台! ルノーがサハラ砂漠の砂とカシオペア座が輝く砂漠の夜空をイメージした限定車「カングー クルール ディーゼル MT」を発売
シュワンツとレイニー白熱のバトル! 英米マッチレース「1987 トランスアトランティック」を収録したDVDがウィックから11/22に発売
[15秒でわかる]キャデラック『リリックV』…高性能モデルが2025年に登場
中韓企業が上位[独占]? 車載電池世界シェアトップが納得すぎた件
週末を通しホンダに不運襲うもザルコが11位入賞「ミスを犯さず、力を発揮できた」/第19戦マレーシアGP
スタート手順に違反したノリスとラッセル、罰金のみで順位変わらず。角田とローソンは情状酌量によりペナルティなし
サラ・ボビーに代わるアイアン・デイムスの女性ブロンズドライバーが決定
兄弟車に違いはあるのか!? KTM『250 DUKE』とハスクバーナ『スヴァルトピレン250』を比べてみた!~小野木里奈の○○○○○日和~
【ロイヤルエンフィールド】日本公式アンバサダーに mapico さんが就任
【トヨタ版の噂も】スズキ初のBEV「eビターラ」は多面体ボディと先進内装でBEV市場を席捲するか
あの「250」のオープンが想像以上にゴツカワ! トヨタが本気を出した「ランクルROX」の大量画像
【かっこいいぞ…】アウディ新型「A5」&「S5」公開! 実質A4の後継モデルはファストバックの5ドアとワゴンを設定
現行マツダ唯一のロータリーエンジン搭載モデル「MX-30」がマイナーチェンジ 価格は293万円から
レクサスの歴史的象徴「LS」が売れない3大要因と、次期型が“ふつうのセダン”にならない理由
“50位圏外”でスランプ続く「CX-60」。モデル末期「CX-5」と総合力ではどちらを買うべき?
白熱の王座争い!! 国内二大レースのSUPER GTとSF、最終盤の見どころと観戦時のポイントを解説
【最安グレード追加】レクサス最小SUV「LBX」に“エレガント”新設定 価格は420万円から
【まだお先は真っ暗?】もはや日本じゃ売れる気がしないBEV…やはり初心者のボクらには無理ゲーなのか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!