【ほぼ完成】新型「レンジローバー EV」はライバル勢を上回る完成度で高級フルサイズSUVの新たな扉を開きそう
掲載 carview! 文:Kimura Office 8
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欧州における最大の自動車市場を有するドイツの5月における新車登録台数の中でバッテリー電気自動車(BEV)の割合が18%、台数では4万3千台となった。これは一昨年に政府の補助金が廃止されて以来最も良い数字である。
これには充電インフラの充実や航続距離の延長などのハード関連の改善、さらには廉価な中国製BEVの市場投入や、VWなど地元メーカーによる値引きなど様々な要因があるが、基本的には多くのユーザー、そして自動車メーカーが地球温暖化ガスを効果的に減少させることの出来る最良の個人輸送手段がBEVであることを認識、環境保護に少しでも貢献しようと思っていることの現れだろう。
そんなメーカーの中で今回紹介するJLR(ジャガー・ランド・ローバー)社の現時点での電動化戦略は2030年までにBEVの販売率を60%にするという目標設定を公表しているが、現在のところBEVはジャガーIペイス(I-PACE)が2018年投入されたに過ぎない。
しかし同社が2025年に2番目のBEVとして「レンジローバー EV」を準備していることはすでにリークされており、筆者は幸運なことに北スウェーデンのアルジェプログで行われているウィンターテストに同行することを許された。
マイナス摂氏15度の真っ白な世界に現れたインクブラックのプロトタイプは僅かな違いを見せるグリル以外はICEモデルとほとんど区別がつかない。これならばカントリークラブのゲート前に現れても全く違和感はないだろう。コックピットとダッシュボードもEV独自のパワーメーターなどを除いて見慣れたデザインだ。
ベースになっているプラットフォームは既存のHEVやPHEVモデルと共通の縦置きエンジン用の「MLA(モジュラー・ロンジチューディナル・アーキテクチャー)」で、フレキシブルな構造故におよそ約2730kgとおよそPHEVモデルと同等の空車重量に抑えられている。
すなわちライバルの「メルセデス・ベンツ G580 EQテクノロジー」よりも約340kgも軽く仕上がっている。これはレンジローバーをヘビーデューティに使用するようなにオーナーにとっては非常に重要なポイントである。軽量化は許容積載量の増加とトーイング(牽引)能力の確保に繋がるのだ。
因みに前述のG580EQが許される積載量は僅か415kg、さらにこの電動Gクラスは悪いことにトーイング機能は持っていない。ちなみに同じGクラスのAMG仕様は635kgのトーイングもOKだ。
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