「トライトン」の悪路走破力がパジェロ級。SUVの洗練か、ピックアップの可能性か、そこが問題だ!
掲載 更新 carview! 文:塩見 智 33
掲載 更新 carview! 文:塩見 智 33
この日はクローズドのオフロードコースも走行した。モーグル路では、独立懸架(ダブルウィッシュボーン)のフロントはそれなりに、車軸懸架、リーフスプリングのリアが大胆なストロークで動き、かなりのホイールアーティキュレーション能力(車輪の浮きにくさ)を見せた。
それでも場所によってはどこかの車輪が浮き気味になることも。そうなるとその車輪は空転しクルマはトラクション(前へ進む力)を失うのだが、しばらくするとその車輪のみにブレーキがかかって空転が止まり、他のきちんと接地している車輪にトルクが配分されるようになって再びクルマが前進する。ホイールストロークの豊かさで車輪が浮きにくく、浮いてしまっても電子制御でなんとかなるという二段構えのトラクション能力が備わっている。
トラクション能力だけではなく旋回性能も優れていることがわかった。コーナーで内側前輪にのみ軽くブレーキをかけて旋回能力を高めるAYC(アクティブヨーコントロール)が備わる。長年WRCでランエボを活躍させた立役者的なシステムだ。
各社のオフローダーも似たようなシステムで悪路走破性を確保しているが、制御の緻密さにおいては古くから悪路に取り組んできた三菱のシステムに一日の長がある。1950年代にアメリカのウィリス・ジープのライセンス生産を始め、それが「パジェロ」へと繋がる同社の歴史を考えればそれも納得。パジェロ、早く復活して!
(次のページに続く)
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