新型BMW X6に試乗 “SAC”ならではの魅力とは?
掲載 更新 carview! 文:川端 由美/写真:中野 英幸
掲載 更新 carview! 文:川端 由美/写真:中野 英幸
日本の山道を走り抜けるには、少々、大ぶりなボディサイズだが、ここでも左右のトルクを適切に配分するトルクベクタリング機構が奏功して、ステアリングホイールの背後にあるパドルシフトを駆使して、積極的に操りたくなる。今回の限られた試乗ステージでは試すシーンに恵まれなかったが、これからの季節、アクティブな趣味を持つ人なら4WD機構の存在は嬉しいに違いない。
カメラとミリ波レーダーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ「ドライビングアシストプラス」を標準で装備するのも、遠出の機会の多い人には嬉しいポイントだ。
ひとしきり走りを試したあと、郊外の空いた幹線道路をゆったりと流してみると、山道やサーキットでは柔らかく感じた足回りも、地方の荒れた道からの入力をほどよくいなしてくれて、BMW一族の中では乗り心地はバツグンにいい。走りを重視して、Mスポーツを入れるべきといったんは薦めてみたものの、乗り方によっては、ノーマルの足回りで心地よく走るのもいいだろう。
そうした視点であれば、サーキット走行では物足りなく感じたステアリング・フィールも、パーキングスピードで扱いやすい軽快さだと納得できる。3種のドライビング・モードのうち、「スポーツ」を選ぶのもいいが、「ノーマル」のままでどっしりとした重量級のボディを後輪で押し出す大人っぽい走りを味わうのも一興だ。燃費重視の「エコプロ」モードでは、アクセルから足を離すと、エンジンを切り離して「コースティング」に切り替える。その他のモードでも、アクセルオフ時には即座にエネルギーを回生したり、クルマが止まればアイドリングストップを行うことによって、日常の走行で求められる燃費性能にも磨きをかけている。
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