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Mクラス燃費25%向上 最新4MATIC 雪上試乗

あらゆる状況下で信頼感の塊

まずはオンロードでの試乗。走り出した直後から、メルセデスらしい安定感と安心感に身体が包み込まれた。強靱なボディとしなやかな足のコンビネーション。これぞ上質な乗り味を生みだすための王道であり、どのメーカーも実現に向け必死に取り組んでいるのだが、新型Mクラスはまさにそのお手本的存在である。さらに驚いたのが、荒れた路面での振る舞いだ。鋭い段差や凹凸など、かなり大きな入力に晒されても、ガツンという角のたったショックはまったくないし、直進の乱れもない。ロードノイズの抑え込みを含め、モノコック式でありながらよくできたフレーム構造のクルマのような余裕のある豊かな乗り味に終始するのだ。

それでいて、高速道路での直進安定性や、ワインディングロードでのダイレクト感はフレーム構造には望めないレベルに達している。これには標準で付くセレクティブダンパーが大きく貢献しているが、オプションで用意されるオフロードパッケージを選ぶと、車高調整が可能なエアサスペンションにアップグレードされ、悪路での走破性がさらに高まる。悪路走行をする人などほんの一握りだろうが、エアサス車の乗り味は標準サスよりさらに上質で、なおかつ高速走行時には車高を低くしスタビリティを高めるというメリットも手に入る。オフロードという視点だけでなく、新型Mクラスがもつ快適性や万能性をさらに高めるアイテムとして、購入時には検討してみることをおすすめしたい。

ガソリン、ディーゼルともに十二分な動力性能をもっているが、僕としてはより低い回転数でより強力なトルクを発生するディーゼルが気に入った。トップエンドでの切れ味はガソリンが上だが、常用域での分厚いトルクは大いに魅力的だし、燃費もいい。加えて、アイドリング中のガラガラ音を含め、静粛性が非常に優れていることもディーゼルを推す理由のひとつだ。

雪道では、前後のトルク配分を基本50:50にした4WDシステムと、4ETSと呼ばれる高度な電子制御式トラクションコントロールシステムが生みだす高い安心感が印象的だった。当日は氷の上に雪が積もるというかなりシビアなコンディションだったが、急勾配を頼もしく駆け上り、急カーブを安定してクリアしていく様子はまさに信頼感の塊。クラス最大級を誇るラゲッジスペースや快適な室内空間を含め「あらゆる状況下において家族を安全かつ快適に目的地へと送り届ける」という目的を達成するために、これほど最適なクルマは他にはちょっと見つからない。

もう一台、2.1リッター直4ディーゼルを積む「E250 4マチック・ブルーテック」にも試乗した。右ハンドルも用意されるMクラスに対し、セダン系の4マチックは左ハンドルのみとなるが、やはり雪道での安心感は絶大だ。加えて、4気筒ディーゼルは500Nmという大トルクを発生する一方、V6ディーゼルと比べてもほとんど遜色のない静粛性とスムースさをもっている。本国には設定のあるML250 4マチック・ブルーテックを含め、残念ながらいまのところ直4ディーゼル搭載モデルの日本での発売計画はない。しかし、V6ディーゼルより軽くて安くて燃費がよく、なおかつ実際に乗ってみれば目から鱗が落ちまくること請け合いなだけに、メルセデス・ベンツ日本には、ぜひとも国内導入を「前向きに」検討してもらいたい。

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