2020年から市販されるVWの電気自動車3兄弟に一気乗りする
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
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ディーゼル・スキャンダルからの立ち直り策の一環として電動化を選択したフォルクスワーゲンはグループ全体でこのテーマに取り組んでおり「TOGETHER」という戦略の下で2025年までにVWブランドだけで100万台のBEV(バッテリーEV)を市場に送り込む計画を発表している。
この計画を後押したカタチになっているのが欧州だけでなく中国やインドなど世界各国の政府が打ち出した内燃機関の販売禁止令で、早い国では2030年から、あるいは中国のNEV法のようにある程度の割合でゼロエミッションカーを要求している国もある。
このタイミングではトヨタやホンダが主張するフューエルセル(水素燃料電池)ではパワートレーンはまだ高価で、さらに水素インフラが追いつかず、電池搭載のBEVが主力となりつつあるのだ。
こうした情勢を読んでか、フォルクスワーゲンは2016年のパリ・モーターショーで「I.D.」、翌年の春に上海で「I.D.クロス」、続いて秋のフランクフルトショーでは「I.D.バズ」と3台のコンセプトEVをそれぞれ公開した。
ワンモーション・デザインを持ったベースモデル、I.D.は全長4100×全幅1848×全高1530mm、ホイールベース2750mmとゴルフよりは小さいが広いキャビンが与えられている。パワートレーンは167psの電気モーターをリアに搭載、0-100km/hは8秒、最高速度は160km/hと発表されている。
I.D.クロスはその名の通りクロスオーバーSUVでサイズは全長4625×全幅1891×全高1609mm、ホイールベース2773mmとなる。ドライブトレーンはフロントに102ps、リアに204psの電気モーターを搭載し、システム出力306psを発生。最高速度は180km/hでリミッターが介入する。0-100km/hの数値は公表されていないが、4秒台に突入するかもしれない。
I.D.バズは全長4941×全幅1977×全高1963mm、ホイールベース3300mmとまさにミニバン、ピープルズ・ムーバーである。電気モーターは最強で前後に204ps、システムパワーは374psに達し、0-100km/hは5.3秒とBEV特有のダッシュ力を誇る。
フォルクスワーゲンはこの3モデルを中心にEV戦略を進めて行く計画で、今回はその戦略を改めてアピールするためにロサンゼルスに3台を集め、我々ジャーナリストに試乗と、開発陣への取材チャンスを与えてくれたのである。
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