新型グラチェロ、華麗な変身とバーゲンプライス
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:小林 俊樹
実車を眺めて最初に感じたのは、ボディの仕上げが断然上質になったことだ。先代もジープとしてはかなりフラッシュサーフェイス化を進めていたが、新型はさらに凹凸がなくなり、またパネルとパネルの隙間も小さくなった。ボンネットフードとフロントフェンダーのパーティングラインを見れば、工作&組み付け精度が日欧のプレミアムSUVと同水準に達していることがわかる。
さらに注意深く眺めていくと、眼光鋭いヘッドランプ、ボディサイドの滑らかな曲面、クロームで囲ったモダンなグリーンハウス形状など、上質さとモダンさをアピールする要素がそこかしこに散りばめられていることに気付いた。伝統の7スリットグリルや台形のフェンダーによってジープのアイデンティティを演出しつつ、モダンでプレミアムなSUVへと華麗なる変身を遂げたというわけだ。
インテリアも大幅に質感を引き上げている。先代のインテリアはプレミアムSUVとしてはあっさりしすぎていた。とくに樹脂パーツの質感はお世辞にも高いとはいえなかった。それに対し、新型はマテリアルにも表面処理にも組み付け精度にも大筋で高い点を付けられる。
正直なところ、欧州製プレミアムSUVほどのゴージャスさはないし、センターコンソール周りのメタル調パネルも軽々しくて気に入らなかった。質感が上がった分、アメリカ車らしい大らかさも後退した。けれど、グランドチェロキーのシートに収まって前方を見渡したとき「安っぽいな」と感じる人はほとんどいないと思う。価格を考慮に入れればなおさらだ。総合的に見て、質感の低いインテリアという先代の弱点は見事に解決されたと報告できる。
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