ハイブリッド対決・後編 燃費いいのはドッチだ?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:齋藤 正
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:齋藤 正
<ワインディング~下り坂>
箱根スカイランと芦ノ湖スカイランのワインディングロードを、タイヤが鳴かない程度のペースでスポーツ走行したときの燃費はプリウスが15.7km/L、インサイトが15.9km/L。誤差の範囲内程度ではあるものの、常にプリウスに負けていたインサイトが、ワインディングロードでのスポーツ走行で初めてトップに躍り出たのは興味深い。
プリウスの場合、通常はモーターによる強力なアシストの助けがあるためエンジンの回転数が低く抑えられるのだが、スポーツ走行時はアクセルを深く踏み込む関係で、中高回転域を多用することになる。いつもは静かなプリウスだが、こうした状況ではあまり心地よいとはいえないエンジン音がキャビン内に進入してくる。
インサイトも同じように中高回転域を多用したが、通常走行時との騒音差はプリウスほど大きくないし、エンジンの音質もプリウスより心地よい。このあたりはさすがホンダ車である。また、エンジン音が高まるような走りをすると燃費が急速に悪化するプリウスに対し、燃費計を見るかぎりインサイトは積極的に回していっても低下幅が比較的小さいようだ。
しかし、次のセクションでプリウスは驚異的な実力を見せつけた。43.4km/Lは今回のトップ燃費であり、インサイトを大きく引き離す。実はこのセクション、前半が下り主体の自動車専用道路、後半が高速道路だったのだが、下りでのプリウスの燃費はハンパなくいい。下りとはいえ、平坦路や登りも含まれる。プリウスはそこでお腹いっぱい貯め込んだ電力を積極的に使ってガソリンを節約するのだ。もちろん、インサイトも同様の制御をするが、モーターの出力が小さいため、モーターに頼れる範囲が小さい。また、回生効率そのものも、バルブ休止をするとはいえ、エンジンとモーターが物理的につながっているインサイトは不利になる。
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