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クルマを眺める“家”こと「ガレージハウス」とは。日本でも最先端の“高級物件”で採用される設計や設備が斜め上レベルの世界だった

光や壁、家族の動線、空調にもノウハウが必要

加えて、ガレージをどう“空間として編み込むか”も重要な視点になる。小川さんが重視するのは「視覚的なつながり」。リビングとガレージの間を仕切るのは壁ではなくガラスがベスト。視線が抜け、空間同士が自然につながっていく構成が、小川さんの設計でも頻出する。

最近手掛けた千歳船橋の集合住宅、「THE GRANDUO CHITOFUNA」では、白壁と白床、素材や光の扱いで空間に“余白”をつくり、ガレージというよりギャラリーのような表情を与えている。

THE GRANDUO CHITOFUNAの106号室。ガレージとリビングを壁で隔てず、ガラスを配置したところに、小川さんならではの美意識と知見が活かされている。そこにクルマが置かれることで、生活空間は一変する。愛車の佇まいが、暮らしに差し込まれる。

こうした構成において、小川さんは抜け感だけでなく、光の当たり方や動線の導き方、さらには構造的な分断のバランスも意識している。ガレージが孤立するのではなく、生活空間に寄り添うように配置されることが、美的にも実用的にも求められているのだ。

「たとえば夜に友人を自宅に招いて語るようなとき、家族がいるリビングを経由するよりもガレージに隣接したセカンドリビングに直接招き入れたほうがお互いにとって気軽ですよね。でもセカンドハウスとして使うのであればそこは考えなくていい。家族とクルマとの関係まで入念に考慮する必要があります」

ビルトインガレージ付きの家で空調設計を甘く見て、梅雨どきに車が結露してしまった、という話もしばしば耳にする。車は意外にデリケートで、特に革シートなどは湿気に弱い。小川さんも、空調と湿度管理は「軽視されがちだけれど、ガレージ設計で最も重要なポイントの一つ」と語る。

「通気性の確保と適切な空調の設計は欠かせません。ガレージを自分と愛車が過ごす場所だと考えると、空気環境が大切なことは言うまでもありませんよね。加えて、愛車との付き合い方によっても情感は全く異なります。長期保管なのか頻繁に乗るのかによっても設計方針や仕様が変わりますから」

EV時代を見据えるなら、「静かなガレージ」という新たな美学も出てくるのかもしれない。エンジン音ではなく、光と空気で車を魅せる空間。排気臭や騒音の課題が減った分、よりパブリックな「魅せる場」へと進化する可能性がある。

(次のページに続く)

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