A7スポーツバック登場 クワトロにも驚きの進化
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:中野 英幸
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少し掘り下げて述べておくと、素直なハンドリングの背景には重量配分だけでなく、様々な技術的背景が関係している…はずだ。
ひとつは、タイヤとの相性が良く、しなやかに動く足回り。タイヤが求める荷重を足回りが的確に与えている感覚で、ここまで相互のチューニングのレベルが高いと、タイヤ交換時にはリプレイス品ではなく純正品を選んだほうが無難だと思う。
ステアリング周りの剛性が上がった効果も見逃せない。フロントタイヤを前方に出せたのは、ステアリングラックの搭載位置を見直したからだが、大排気量エンジンを搭載するFFベースの4WD車のエンジンルームは超過密状態で、ステアリングラック位置の見直しには抜本的な設計改革が必要だったはずだ。
見直しの結果、取り付け剛性は上がり、ステアリングにシッカリ感が出た。新採用の電動パワステの味付けの良さも関係するが、微操舵による反応をクルマにもドライバーにも的確に伝える効果をもたらしている。
さらにRS5と同様の4:6を基準としながら、機械的に前後トルク配分をコントロールするクワトロシステムの採用も見逃せない。リアタイヤを積極的に駆動して安定性と旋回性能を両立するので、素直な曲がり出しが実現できている。機械式なのでUターンでは若干トルクが変動するギクシャク感があるが、アクセルに対するダイレクト感が高く、スポーティに走れるのは魅力だ。
最後に、搭載されるエンジンは直噴+スーパーチャージャーで低回転トルクを充実させた3リッターV6のみ。組み合わされるツインクラッチの7速Sトロニックは制御がさらに賢くなったのか、とても滑らかな変速を実現している。440Nmものトルクを2900-4500rpmで発生するエンジン特性と相まって、街中からハードなスポーティドライブまで快適かつ気持ち良く走れるだろう。
そのスタイルやパッケージも魅力だが、それに負けない走りの完成度を誇るA7スポーツバック。アウディのラインナップでも特にお勧めしたい欲張りなモデルの登場だ。
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