新型911、海外試乗記 無数のナゾを解明せよ
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
掲載 更新 carview! 文:木村 好宏/写真:Kimura Office
将来の話はともかく、新しいポルシェには発売当初にはカレラとカレラSが用意されている。
カレラにはダウンサイジングされた3436cc水平対向6気筒エンジンが搭載され、最高出力は5ps増えて350ps/7400rpm、最大トルクは390Nm/5600rpmを発生する。そして最高速度は289km/h(287km/h)、0-100km/hは4.8秒(4.6秒)をそれぞれ記録する。
一方カレラSのエンジンは排気量3800ccと変わらない。ただし最高出力は15p増大して385ps/7400rpm、最大トルクも20Nm増えて440Nm/5600rpmとなった。その結果、最高速度は304km/h (302km/h)、0-100km/hは4.5秒(4.3秒)へと向上している。( )内はPDK装着モデル。
ちなみに現在ではスポーツカーのメートル基準となっているニュルブルクリンクの北コースでニュー・カレラSは7分40秒のラップタイムを記録している。これは旧モデルよりも14秒も速い。このテストに参加したワルター・レールは「セミ・スリック・タイヤを履いたタイムアタック用のスペシャル・モデルではない!」と私に語っている。
911系開発担当主査のアハライター氏が誇るのはボディの軽量化である。ドア、トランクリッド、フェンダー、ルーフまでホワイトボディのおよそ半分がアルミ製である。さらにマグネシウムや強化プラスチックの採用で空車重量はカレラが1380kg と旧モデル(1415kg)よりも35kg軽く、カレラSのPDK仕様ではさらに40kgも軽く仕上がっている。しかも軽量化されたボディの静的捻れ剛性は25%、動的捻れは20%、曲げ剛性が13%それぞれ向上しているのである。
空力特性もCd値が0.29へ向上している。この軽量化と空力の改善に加えて、世界初の7速MT、コースティング機能付きPDK(デュアルクラッチ・トランスミッション)、サーモ&エネルギネー・マネージメント、スタートストップ・システムなどによってニュー911の燃費はカレラの7速MTでマイナス13%、PDKでマイナス16%、さらにカレラSでも同様にマイナス10%/マイナス15%となっている。
しかも忘れてはならないのは走行性能は向上ないし不変なのである。
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