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ニスモのEVレーシングカーにちょい乗り。フォーミュラEは将来の日本人起用も視野

リーフニスモは市販リーフとは別物のツインモーター4輪駆動

リーフニスモRC_02は、日産のモータースポーツ活動を担うニスモが開発。ヘッドランプ、リアコンビランプ、フロントグリルまわりなどに市販車のリーフを想起させるスタイリングが採用されているが、全長4546mm、全幅1942mm、全高1212mm、ホイールベース2750mmというロー&ワイドのディメンションからもわかるように中身はリーフとまったくの別物だ。

モノコックとサブフレーム(前後共通のものを向きを変えて使用!)はカーボン製で、市販リーフにも採用されるEM57モーターが前後アクスルに1個ずつ組み込まれ、4輪を駆動する。各モーターの最高出力は120kWで、システム最高出力は240kW、同最大トルクは640Nmに達する。車両重量は1220kg。0-100km加速3.4秒だが、これは市販タイヤによるもの。最高速は220km/hに制限されている。

開発ドライバーの松田次生氏によるウォームアップを兼ねたデモランが行われた後、2台のマシンを使って各メディアが試乗した。ドアを開け、幅広いサイドシルを乗り越えて低く設定されたバケットシートに座る。シートポジションを合わせ、4点式シートベルトを締めてもらう。乗り込みにくいが、入ってしまえば狭いわけではない。視界も良好。ステアリングホイールには多数のスイッチと液晶画面があり、ウインカーやワイパーなどを含めほとんどの機能をステアリングスイッチで操作する。

ステアリングスイッチにあるダイヤルセレクターでDを選んでスタート。市販リーフ同様、あっさりスタートできる。市販リーフは静かだが、リーフニスモRC_02はアクセルのオンオフに連動してギアのバックラッシュ音がけたたましく車内に響き渡る。EV特有のヒューンという高周波音のボリュームも大きい。

ハイパワーを発揮するマシンだが、我々の試乗時にはパワーを絞った状態にしてあるそうで、ストレートでアクセルを深く踏んでも加速力自体はびっくりするほどではない。ただしレスポンスはウルトラレスポンシブ。アクセル操作が即座に挙動となってあらわれる。市販リーフはアクセルオフで発生する強い回生ブレーキを利用したワンペダルドライビングが売りのひとつだが、リーフニスモRC_02はさほど回生ブレーキが強い設定にはなっていない。開発者によればその辺りはいかようにもセッティングできるという。

低く座ったドライバーの背後に駆動用バッテリーが置かれる構造で、前後オーバーハングには重量物はない。前後重量配分は50:50。レーシングカーとして理想的なレイアウトによってほとんどロールせず、非常に素直なハンドリングを楽しむことができた。ただしハイパワーに対しタイヤのグリップ力が十分ではなく、乱暴で大雑把なステアリング操作や減速をするとズリズリ滑る。

ドリフトコース2ラップの試乗はあっという間で、マシンの特性を知るには至らなかったものの、変速による加速の途切れが一切ないEVのなめらかな加速を思う存分に味わうことはできた。

日産によれば、リーフニスモRC_02はレーシングカーという触れ込みではあるものの、現時点で出場するカテゴリーがあるわけではなく、ワンメイクレースが行われる予定もない。あくまでEVの可能性を幅広く知ってもらうために各地でデモランや試乗会などを行う予定。このマシンを使ったプロドライバーによるなんらかのレースがあっても面白いのではないだろうか。また公平なレギュレーションを決めるのが難しいとは思うが、従来の内燃エンジンで走るレーシングカーとの勝負も見てみたい。

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