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マクラーレンからセナの名を冠するモデルが登場 価格は約1億1360万円

英マクラーレンは同社の展開するアルティメットシリーズ(究極を目指したスポーツカーシリーズ)の新型車として、「マクラーレン・セナ」を展開すると明らかにした。車名のセナは伝説のF1ドライバー、故アイルトン・セナからとったもの。F1界のレジェンドの名を頂戴したことからも高性能ぶりが十分に想像できるが、実際「セナ」は公道走行可能なマクラーレンのロードカー史上、最強の性能が与えられる。

エクステリアは、マクラーレンの掲げるデザイン哲学“フォーム・フォローズ・ファンクション(機能第一のデザイン)”に則り、ミッドエンジン・リアドライブの典型的なスポーツカーフォルムを具現化している。車体は新設計の空力デバイスを身にまとい、リアに備わるカーボン製の大型リアウイングは、走行中に常に角度が変化し、その時の状況に合わせてダウンフォースと“エアブレーキ”を最適化するハイテクが用いられている。

随所にサーキットでの利便性を向上させる工夫

マクラーレンの特徴的な跳ね上げ式のドアは、レーシングスーツやヘルメットを着用していても乗り降りを容易にできるという効果を見込んでのもの。ひとたび乗り込めばドライバーは操作系がシンプルに配置されたタイトなコクピットの景色に直面することになる。

ドアは軽量化のためカーボンファイバーでつくられているが、ドア下部のカーボンパネルはオプションでガラス仕様に変更することもできる。(写真:10、11枚目)透明のガラス仕様ではサーキット走行でスピード感ある景色が満喫できる。メーカーによればドライバーとコースを視覚的につなぐ効果を狙ったとのことだ。

一方、ステアリングはボタンやスイッチを排したシンプルなデザインとなっている。デザイナーはドライバーが路面からのフィードバックに集中できるようにとの配慮から、あえてシンプルなデザインを採用したようだ。ドライビングに必要な情報は、すべてセンターのインフォテインメントスクリーンに映し出される。エンジン始動ボタンがバックミラー上部のルーフに備わっているのもユニークなポイント。(写真:16枚目)これも使用頻度の少ない機能は手元になくていいという発想からだろう。

車体重量はわずか1198kg

シャシーやボディパネルがカーボン製となる第3世代の“モノケージ”を用いたセナの車体重量はわずか1198kg。マクラーレンF1以降のロードカーでもっとも軽量な数値となる。

エンジン

エンジンは4リッターV8ツインターボを採用し、最高出力800ps、最大トルク800Nmを生み出す。こちらのスペックも内燃機関エンジン車ではマクラーレン史上もっともパワフルなものとなり、あらゆる数値を極限まで高めたエンジニアリングの底力が感じられる。

またドライサンプ式のオイル循環システムやフラットプレーン・クランクシャフトといったモータースポーツ譲りの技術や、エンジン内部の可動部品の軽量化により、レーストラックにおける走行性能が極限まで高められている。

マクラーレンのアルティメットシリーズといえば「P1」(生産終了)が思い浮かぶが、マクラーレンによるとP1は公道とサーキットの両方において最適なドライバーズカー。セナはサーキットにおける最高のパフォーマンスを追求したストリートリーガル(合法的に公道を走れるモデル)であるとのこと。両者のコンセプトは似て非なるものだが、セナは事実上P1の後継モデルにあたり、P1で培った技術やノウハウが生かされるという事実はメーカーも認めている。

なおセナは英国のファクトリーにて1台ずつ手作業で組み上げられる。生産台数は世界500台限定で、英国での車両価格(税込)は75万ポンド(約1億1360万円)に設定される予定だ。

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