誰もがギラギラしたいわけじゃない!? “シンプル&クリーン”新型ステップワゴンの人気グレードは?
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:ホンダ技研工業 43
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:ホンダ技研工業 43
目次
ホンダ「ステップワゴン」は、車内空間を効率的に使えるスクエアなボディ形状が魅力の5ナンバーサイズミニバンとして1996年に登場。2022年5月には最新世代となる6代目ステップワゴンが登場し、発売から1カ月で月間販売計画の5倍以上となる数の受注を集め、早くもスマッシュヒットの気配をただよわせています。
新型は従来モデルよりボディサイズを拡大し、全長4800~4830mm×全幅1750mm×全高1840~1855mmという3ナンバーサイズになったことで、国内で販売されるホンダ車としては過去最大の車内空間が実現。そのパッケージングも「家族の成長に合わせた多彩な使い方ができるように」という趣旨で、乗員が自由に居場所を選べるシートアレンジが採用されました。
※2022年9月22日時点の情報
2列目キャプテンシートは前後のロングスライドだけでなく、左右にもスライドできる構造で、床下収納が可能な3列目シートは、着座位置を高くするとともに前方のシート、ヘッドレストの形状を工夫することで開放的な視界を実現。さらにはシートクッションの厚みを増すことで、3列目においても快適な座り心地が実現されています。
新型ステップワゴンは利便性を高める装備も従来型以上に進化しました。パワーテールゲートには開く角度を任意で設定できるメモリー機能を追加し、パワースライドドアには指先で軽く触れるだけで開閉できる静電タッチセンサーを初採用。エアコンは、PM2.5などの微小粒子物質を検知し、空調制御とフィルターの組み合わせで空気を浄化する「Clean Air(クリーン エアー)」を全車に標準採用しています。
そして新型ステップワゴンは、ギラギラしたニュアンスであることが多い昨今の国産ミニバンとしては異例なほど「シンプルなデザイン」であるというのも大きな特徴です。
ラインナップは大きく分けてベーシックな「エアー」と、力強さを重視した「スパーダ」の2種類で、スパーダには上級仕様の「スパーダ プレミアムライン」もラインナップされています。
それぞれのエクステリアは、ステップワゴン エアーはクリーンでシンプルな全体のデザインの中に細いメッキモールをさりげなく施すことで上質感を表現。またステップワゴン スパーダは、リアに向けて伸びやかな流れをイメージできる造形としながらも、ワイドかつ重厚なフロントグリルとボディ下端全周に配置したメッキのモールにより、下品にならない範囲で「力強く品格ある佇まい」が表現されています。そして上級仕様のスパーダ プレミアムラインは、プラチナ調クロームメッキ加飾が特徴です。
※2022年9月22日時点の情報
ステップワゴン エアーのインテリアは温かみのあるカラーを用いた明るい作りで、ちょっとモダンなリビングルームのような雰囲気。一方のステップワゴン スパーダは、スタイリッシュなダークトーンのカラーを用いることで上質な室内空間に仕上げています。そしてスパーダ プレミアムラインのインテリアはスエード調表皮&プライムスムースのコンビシートなどを採用し、その質感はさらに高まっています。
また全モデルに水平基調なインテリアデザインを採用することで乗る人の視野を安定させ、その結果として「乗り物酔い」を起こしにくくしているとホンダは主張します。
パワーユニットは最高出力150psの1.5LガソリンVTECターボエンジンと、2L自然吸気エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステム「e:HEV」の2種類。WLTCモード燃費はFFのガソリン車が12.9~13.9km/Lで、ハイブリッド車は19.5~20.0km/L。ハイブリッド車の駆動方式はFFのみですが、ガソリン車では4WDも選択可能です。
最新世代のミニバンだけあって、新型ステップワゴンは先進安全装備も当然ながら充実しています。
安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」は全車標準装備で、その機能も従来型以上に進化・充実しました。アダプティブクルーズコントロールは全グレードで渋滞追従機能付きとなり、新機能として「後方誤発進抑制機能」「近距離衝突軽減ブレーキ」「オートハイビーム」「トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)」「マルチビューカメラシステム」「ブラインドスポットインフォメーション」を追加。そしてスパーダ プレミアムラインには、状況に応じてヘッドランプの照射範囲を自動調整する「アダプティブドライビングビーム」も標準装備されます。
またコネクテッド関連の機能・装備も最新のものとなり、携帯端末による車両の管理や車内Wi-Fi、ナビゲーションの自動地図更新サービスなどからなるコネクテッドサービスに対応しています。
※2022年9月22日時点の情報
そんな新型ステップワゴンの、現在販売されているグレードラインナップとそれぞれの価格は下記のとおりです。
【ステップワゴン エアー】
AIR|299万8600~324万600円
e:HEV AIR|338万2500円
【ステップワゴン スパーダ】
SPADA|325万7100~347万7100円
SPADA PREMIUM LINE|346万2800~365万3100円
e:HEV SPADA|364万1000円
e:HEV SPADA PREMIUM LINE|384万6700円
ホンダの発表によれば2022年6月27日現在、パワーユニット別の販売比率はガソリンエンジンが33%でe:HEVが67%とのこと。やはりハイブリッドのほうが売れているようです。
そして同日現在、グレード・タイプ別の構成比は下記のとおりとなっています。
ここから見て取れるのは「e:HEV強し!」ということと「エアーよりもスパーダが売れている!」ということですが、そういった現実を踏まえつつ“おすすめグレード”を考えてみましょう。
クリーンでシンプルな世界観を目指して作られた新型ステップワゴンですが、そんななかでも「やはりある程度はゴージャスなほうが好ましい」と考える場合には、やはり現時点で一番売れているe:HEVのスパーダがいいでしょう。
同じe:HEVでもエアーだと運転席&助手席シートヒーターは装着できませんし、トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンディショナーも設定自体がありません。またエアーはステアリングホイールも本革巻きではなく、シートもファブリック&プライムスムース(合皮)コンビシートではなくファブリックで、2列目オットマンも設定なし。便利なパワーテールゲート(メモリー付き)も選択不可で、ブラインドスポットインフォメーションも設定なし……といった部分に若干の寂しさを覚えます。
しかしe:HEVスパーダであればこれらの問題(?)がすべて解決されます。また通常のミニバンでは、いわゆるカスタム系のデザインはオラついた感じになってしまう場合が多いものですが、新型ステップワゴンのスパーダは「上品な力強さ」といったニュアンスですので、オラオラ感が気になることもありません。
そいういった諸々を考えますと、e:HEVスパーダは「売れてる理由はよくわかる」と言うほかなく、やはり多くの人におすすめできるグレードである――という結論になります。
またさらに上級に位置するe:HEVスパーダ プレミアムラインも、上級だからといって過剰にオラついたゴージャス感をひけらかすデザインにはなっておらず、それでいてアダプティブドライビングビームやマルチビューカメラシステム、2列目シートヒーターなどが標準装備となっています。そのため、予算に余裕がある場合はこちらもおすすめとなるでしょう。
しかし「それでも自分はエアーの超シンプル系デザインが好きなんだ!」という場合には、もちろんエアーを選ぶのも悪くありません。ブラインドスポットインフォメーションの設定がない点だけは気になりますが、それ以外は「あったほうがいいかもしれないけど、なくてもOKといえばOK」と言える装備ですので、シンプルなガソリンターボのエアー(FF)を、300万円を切る手頃な車両本体価格で狙ってみるのも素敵です。
※2022年9月22日時点の情報
ステップワゴンのライバルとなるのは、ほぼ同クラスのミニバンであるトヨタ ノアとヴォクシーの兄弟車です。ステップワゴン エアーと競合するのがノアで、ステップワゴン スパーダと競るのがヴォクシーということになるでしょうか。
使い勝手や走りに関してはノア/ヴォクシーとステップワゴンは「おおむね同等」と言えるはずですが(後述するステップワゴンの優位点もありますが)、燃費はガソリン車もハイブリッド車も、ステップワゴンよりもノア/ヴォクシーのほうが若干優秀です。
というか、それ以上に新型ノアおよびヴォクシーは「デザインのインパクト」が強烈です。
人によって好き嫌いはあるでしょうが、ノア/ヴォクシーの強烈な押し出し感がお好きなのであれば、選ぶべきはステップワゴンではなくノアまたはヴォクシーです。特にヴォクシーのほうは、ミニバンという乗り物に“迫力”も求めるのであれば、ベストに近い選択でしょう。
しかし、もしもミニバンに「シンプル&クリーンでしゃれたデザイン」を求めるのであれば、新型ステップワゴンこそが今、国産ミニバンでは唯一にして最高の存在です。また新型ステップワゴンも従来型同様、跳ね上げ式であるノア/ヴォクシーと違って3列目シートは床下収納式であるため、荷室空間をすっきりと広く使うこともできます。
それでも世の中の大勢はギラギラした押し出し感の強いミニバンを求めるのでしょうが、もしもあなたがそういった世界観をあまり好まない人であるならば、選ぶべきは絶対に新型ステップワゴンです。ご検討中の方はぜひそのまま、さらなる詰めの商談に入ることをおすすめいたします。
<おわり>
※2022年9月22日時点の情報
※2022年9月22日時点の情報
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
Aクラスベースの4ドアクーペにひと目惚れ!? メルセデスベンツCLA(2014年モデル)試乗プレイバック【10年前の再録記事プレイバック】
流麗なメルセデス・ベンツ「CLA シューティングブレーク」は実用性も死角なし! 粋を知る人に乗ってほしいクルマでした【AMWリレーインプレ】
角田裕毅のファンミーティングが相模原で開催。1100人のファン集まる……一部は12月25日からDAZNで配信予定
再現度すごい!“クセつよ”な青看がアクキーに 今回は大阪から ゼンリンが作製
トヨタ・ランドクルーザー(250)へ英国試乗 「オンロード」マナー向上 走れない場所ほぼナシ!
なぜトヨタ「86」後期に前期のエンジンを搭載?「日本最北の86乗り」が2度のエンジンブローを乗り越えて開眼した境地とは
レア車も発掘 「風の丘」に残された廃車 40選(後編) ジャンクヤード探訪記
福住仁嶺がシーズン全勝でチャンピオン獲得。最終戦は牧野任祐が一矢報いるも福住が逆転【インタープロト最終戦】
オートサロンで展示決定!ミズノの新作ドライビングシューズ「BARECLUTCH L」天然皮革を採用し運転の快適さと日常使いをさらに進化させた1足
ホンダから“大型ストリートファイター”新型「CB1000ホーネット」シリーズ登場! 市街地もワインディングも楽しめるリッターモデルです
レア車も発掘 「風の丘」に残された廃車 40選(前編) ジャンクヤード探訪記
ウインタースポーツもランボルギーニで! 200台限定の業界初ハイテク素材を使用した「スノーボード」と「バインディング」でゲレンデのヒーローに
【今年はコスパ元年】フロンクスからランクルまで、お手軽予算や最強リセールで覚えておくべき車5選
【ホンダの逆襲】新型「プレリュード」が“ハイブリッド革命”と話題に…エンジンの超進化が向かう世界
【発売秒読み!?】マツダ、2.0Lチューンドエンジン×幌の高性能「ロードスター」市販予定仕様を公開【TAS25】
【ライバルもビックリの強烈さ】スズキ新型「ソリオ」公開! 「フロンクス」のクールなカスタム仕様も【TAS25】
【無敵の布陣完成】トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」一部改良。廉価版・PHEV・最上級4人乗り一挙追加…510万円から
【2025年もシークレットあるかも?】スバルがオートサロン出展概要発表 新色のBRZなど展示
【まるでドラマ】鴻海をけん制し、株価をV字回復させ、日産とホンダの統合を進める経産省の凄腕ぶり
【究極系ノートオーラ】デザインも中身も本気な「オーテック・スポーツスペック」登場。NISMOとの違いは?
【色褪せない美しさ】レクサス「LC」改良。剛性アップで走りが深化、内装もゴージャスに…1405万円から
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!