LFA プロトタイプに試乗 国産スーパースポーツ!
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:トヨタ自動車
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:トヨタ自動車
ここで簡単にスペックを紹介しよう。F1由来のヤマハ製4.8リッターV型10気筒エンジンはフロントに積む。駆動方式はFR。最高出力412kW(560ps)を8700rpmで発生するかなりの高回転型だ。実際に走っても9000回転まで一気に吹き上がる。タコメーターの上昇がとても速いことに驚いたほどだ。しかもフェラーリのエンジンと比べても納得できるほど、鋭いレスポンスを持っている。そして、官能的な音! コクピットで聞くとこもった低目の音にも聞こえるが、外からこのV10を聞くと、まるでレーシングカーそのもののように高い澄みきった音が脳を刺激する。開発に携わったヤハマ(発動機)はグループ会社のヤマハ楽器と協力しながら、心地よい音作りにこだわったという。この音への執念はLFAのチーフエンジニアである棚橋さんのこだわりでもあった。
そして軽量コンパクトであることも驚きだ。フロントのエンジンフードを開けるとV10はやや後方に積まれていることがわかるが、その小ささに目を見張る。ISFに積まれる5リッターV8よりも遙かに小さい。
ボディは軽く強靭なカーボンだ。これまでメルセデス SLRマクラーレン、ポルシェ カレラGT、エンツォ フェラーリが“カーボン3兄弟”を名乗っていたが、ここにLFAが加わることになる。だが、トヨタのカーボン担当設計者は2010年に市販されるマクラーレンMP4-12Cが気になるらしい。同じ時代に生まれるカーボンボディを持つスーパーカーとしてはMP4が技術的なライバルのようだ。LFAのボディをスチールで構成するとカーボンボディより150kg~200Kgも重くなるという。カーボンのおかげてV10を積むスポーツカーでも1.5トンを切ることに成功している。
ところでLFAはフロントにV10を積むが、ギアボックスはリアに置くトランスアクスル方式。その意味ではミドシップのカレラGTやエンツォやMP4とも異なるし、平凡なFRを採用するSLRとも異なる。リア・トランスアクスルで分類すると紛れもなくアストンがライバルとなるのだ。
LFAの場合は、GTRとは異なりフロントに置かれるエンジンとリアに置かれるギアボックスはトルクチューブという剛体で結合される。その剛体は潜水艦の潜望鏡の円筒を作る技術で作られている。手がけたのは大阪の会社の職人らしい。
ドライサンプ化されたV10とリアに搭載されるトランスアクスルのおかげで低い重心を実現し、重量配分はフロント48:リア52を実現している。
カーボンは軽くて剛性が高いといわれるが、その生産性では難易度が高い素材だ。しかも自由自在に設計できるわけでもない。そこでカーボンとアルミを組み合わせることで、素材が持つ性質を有効に生かす設計が行われている。
「バスタブ」と呼ばれるキャビンのモノコックは完全にカーボンで作られる。衝突安全ではキャビンの変形をできるだけ抑えることで生存空間が保たれるからだ。エンジンコンパートメントのサイドフレームはアルミだ。ここでエネルギー吸収させることでキャビンへの衝撃の進入を防いでいる。
さらにカーボン製のクラッシュボックスをそのアルミフレームの最先端に配置している。ここが潰れることでエネルギーを吸収するのだが、カーボンは鉄やアルミと違って、文字通り粉々にパウダー状に粉砕される。つまり、衝撃を吸収するストロークが金属以上に長く取れるから、クラッシュ性能はものすごく高いのだ。
みなさんご存じ、カーボンは基本的には織物。トヨタのルーツも自動織機だからカーボンボディを持つLFAはトヨタの創業者である豊田佐吉翁へのオマージュでもある。豊田家から輩出された章男さんはそのことを知っている。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
【最新モデル試乗】期待のストロングHV登場! SUBARUクロストレックS:HEVの実力
新車198万円! スバルの全長4.3m「“7人乗り”ミニバン」が凄い! 得意な「AWD×水平対向エンジン」採用しない“謎のモデル”に注目! 意外な「小型ミニバン」誕生した理由とは
トヨタ世界初!謎の「“パイ”エース」に大反響! 屋根なし&12人乗りに「成人式仕様みたい」「オトナも楽しめそう」の声! “マル秘システム”搭載の「ハイエース」がスゴイ!
頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん?
【クセ強だけど懐かしい】光岡、55周年記念車「M55ゼロ・エディション」発売。100台限定…ベースはあの車
「売れる車がない」なんて言わせない! 北米日産の大型SUV「アルマダ PRO-4X」が魅力的…価格も発表
新型「ティグアン」正式発売で注目集まる豪華装備とお値打ち度。世代遅れの兄弟「Q3」よりお買い得
メルセデスAMG「A45」に“最後の限定車”登場。2.0Lターボは421馬力も…価格は1000万円超え!!
ホンダの高級ブランドが新型SUV「ADX」を発表。クセ強め“アメリカン顔”の衝撃や背景とは?
北米レクサスが販売する3列SUV「TX」は何モノ!? “LBX顔”で実質650万円~…25年モデルに進化
【アルファード/ヴェルファイアはイヤ!】そんな人の選択肢になるかもしれない高級ミニバン「Vクラス」はどんなクルマなのか?
新たな仲間募集、JAFの給水素+給電カー、新型GR86の方向性…S耐最終戦で見えたトヨタと水素の現在地
【SUVだらけでお腹いっぱい】世間に流されず自分らしい車を探し出すための、愛車の「因数分解術」
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!