Cセグ投入のSUV、ルノー・カジャーは理屈ではなく右脳で選びたいクルマ
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:菊池 貴之
ちょっと生意気でロー&ワイドに見えるフロントマスクの影響か、カジャーは実際のサイズよりも少し車格が上に見える。だからパワートレーンが直列4気筒1.2L直噴ターボエンジンと7段ATの組み合わせと知って、力不足ではないかと懸念した。けれどもそれは杞憂に終わった。
赤信号のゼロ発進からでも、カジャーはすっと気持ち良く前に出る。力があり余っているとは言わないまでも、必要にして十分。しかもただ加速するだけでなく、エンジン回転数が低い領域でもアクセルペダルの操作に対して、瞬時に「グンッ」とトルク感を感じる。いわゆる、“ツキ”がいいエンジンだ。ルノー・ジャポンによれば、この1.2Lの直4は基本的にルーテシアに搭載されるものと共通であるけれど、SUVであるカジャーに搭載するにあたってセッティングを見直しているという。
低回転域でのツキのよさは、車速が上がるとさらに強調される。また、エンジン回転数を上げても静かで振動が少ないことも特徴。さすがに排気量が1.2Lだけに、望んだ加速を手に入れるにはそこそこエンジンを回す必要があるけれど、そこで音が高まってイヤになったり、振動を感じてげんなりすることもない。正直、バカッ速いパワーや快音で乗り手を鼓舞するエンジンではない。けれどもその素直で扱いやすい特性は、長距離、長時間にわたって付き合えるタイプのものだ。
扱いやすいエンジンだと感じる理由のひとつに、2組のクラッチを持つツインクラッチ式の7段ATがあることは間違いない。変速は迅速かつスムーズ、切れ味が鋭いのにショックは伝えないあたり、完成度は高い。
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