DS7 クロスバック試乗 キザでいやらしいと感じようがそれがこのクルマらしさ
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:篠原 晃一
少しスピードを上げて、DSアクティブスキャンサスペンションという仕組みを試す。簡単に説明すると、5~25m先の路面の凸凹をカメラでチェックして、それに合わせてサスペンションを設定するという仕組みだ。ドライブモードを「コンフォート」に入れた時にだけ作動する。
結論から書くと、短時間の試乗ではDSアクティブスキャンサスペンションの効果は体感できなかった。けれども、これは決して残念な結果ではない。このハイテク装置が働いていない状態であっても、そもそもの乗り心地が良好であることの証明であるからだ。できれば機会を見つけて、高速道路で長時間試乗して、DSアクティブスキャンサスペンションの効果を確認したい。
不思議に感じたのは、サスペンションの仕組みがまるで異なるのに、ここまで乗ってきた自分のシトロエンC6と乗り味が似ていたことだ。4本の足が柔軟に伸びたり縮んだりして、乗員に不快なショックを与えないことと車体の姿勢をフラットに保つことを両立している。仕組みは違うにせよ狙うところは一緒で、これが過去のモデルと最新のモデルとで一貫している、というのが筆者の考えだ。
試乗を終えて、ガソリンとディーゼルのどちらを選ぶかの結論が出た。普通のSUVであれば低回転域からトルキーなディーゼルということになるだろう。けれどもDS7クロスバックは、ヘビーデューティに使うというより、そのルックスや快適な乗り心地から、都会派という感じがする。そこで、よりスムーズで静かなガソリンを推す。
おもしろいデザインとユニークなメカニズム、そしてグルーヴ感を感じさせる独特の乗り心地。DS7クロスバックは、シトロエン(厳密には違うブランドだが)の伝統を引き継いでいて、シトロエンC6の次にちょっといいかも、と思わされた。グレード名にしろデザインにしろ、「パリ、パリってうるさい!」とか、「キザでイヤらしい」と感じる向きもあるかもしれない。でも、安くて壊れない国産車があふれる日本であえて輸入車を選ぶ理由は、異国の文化を味わえるからという理由もあるはず。パリ旅行に行って「パリ、パリってうるさい」と怒る人はいない。このクルマは、日本にいながらにして味わえる、手軽なフランス旅行である。
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