Fタイプ クーペに海外試乗 英リアルスポーツの実力
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
ロードコース1日目はFタイプ S クーペのステアリングを握り、300kmもワインディングを走った。荒れたスペインの道路はときに険しく迫ってくる。「よくもこんなコースを選んだよね」とパートナーと話す。どうも今回から、ランドローバーのエクスペリエンスチームが運営しているようで、完璧にオーガナイズされたイベントが気持ちいい。
安全は十分に確保されているが、ガードレールのないワインディングでスポーツカーを振り回す気分は相当にヤバく、そして楽しい。谷に落っこちたら自己責任というのが英国流だが、今回選ばれた日本人プレスは武闘派だから、心配はないだろう。
初乗りしたのはFタイプ S クーペだ。トルクフルなV6/380psには大満足で、公道で乗るならV6で十分と確信する。おそらく試乗できなかった340psの素のFタイプ クーペでも十分なパフォーマンスを持っているはずだ。それに、Fタイプ S クーペの乗り心地が素晴らしい。ポルシェやメルセデスAMGと違って、サスペンションをしなやかに動かす、いわゆるジャガー伝統の“ネコアシ”が健在なのだ。整地されたサーキットならいざしらず、荒れた路面をいなすことができるサスペンションは唯一無二の存在だろう。このサスペンションに私は惚れ込んでしまった。
ロードコース2日目は550psのFタイプ R クーペで、ブレーキディスクはノーマルのスチール仕様だ。前を走る元気のいいおじさんとチェイス。狭いワインディングでもペースは緩まず、相当な腕の持ち主だ。私もギリギリまでブレーキを遅らせるが、しっかりと制動力を使いターンインはオーバースピードにならないように心がける。一回だけ、右コーナーの曲率を見誤り、フルブレーキングでステアリングを操舵する場面があったが、ABSは信頼感が高く、ESCがリヤ内輪にブレーキ介入してアンダーステアは抑制された。
こうしてしばらく続いたカーチェイスは敵が道を譲ったために無事終わったのだが、Fタイプ R クーペの痛快な走りと、こんな素晴らしいコースを思いきり走らせてくれたジャガー・チームに敬意を表したいと思った。お金を出してでも参加したい国際試乗会だったのだ!
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