フェラーリ512BBi、テスタロッサ、190Eと振り返る昭和の思い出
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹
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その気になればいくらでも続けることができる「オートモビルカウンシルをからめた私的昭和史」だが、お読みになる方もあまり長いと辛かろう。このあたりで締めることとしたい。最後は1990年(平成2年)登場のメルセデス・ベンツ190E 2.5-16エボリューションIIである。
1984年(昭和59年)に始まったDTM(ドイツツーリングカー選手権)は当初グループAレギュレーション、すなわち「一定数以上市販された4ドア乗用車をベースにレースカーを作る」という決まりで運営されていた。ドイツのメルセデス・ベンツは当初190E 2.3-16という、おおむね一般的な形状のスポーツセダンでグループAの公認を取得していたのだが、次第にエスカレートしていった。
2.3-16が2.5-16になり、それだけでは飽き足らず1989年(昭和64年/平成元年)には「190E 2.5-1エボリューションI」が登場。これもそこそこエグいフォルムの市販車(公認取得用の限定生産モデル)だったのだが、メルセデスは、いや時代は、さらなるイケイケを190Eに要求した。
そしてベルリンの壁崩壊を経て東西ドイツが統一された1990年に登場したのが、ほとんど「竹槍出っ歯」と評せなくもないこの究極の市販乗用車、「2.5-16エボリューションII」だった。
通称エボ2を得たメルセデスは1991年(平成3年)と1992年(平成4年)のDTMマニュファクチャラーズタイトルを獲得。当時、すでに日本のバブル景気は行き着くところまで行った結果、完全に崩壊していた。リアルに漂いはじめた不景気風に怯えながら、わたしは紙のモータースポーツ雑誌で190E 2.5-16エボリューションIIの巨大なリアウイングをただただ見つめていた。
まだ、世の中一般にインターネットは存在していなかった。
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