トーヨー新スタッドレス 鬼クルミの量が6倍に
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:トーヨータイヤ
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前述してきた内容により、MK4αはスノー性能やドライ性能など、総合的に高い性能を得ているのが特徴で、特に重量級ミニバンでもそれらを得ているのが魅力。
特に感心したのは、絶対的な各路面における性能も大事だが、冬期路面では特に重要になるハンドルを切りだした際の手応え、さらには路面状況が変化した時のインフォメーションが明確なこと。これが実際の使用シーンでは、大きく安心感や疲労度を軽減する。
なぜなら冬期路面では、“今の”路面環境はグリップするのか? という慢性的な不安がある。走り慣れた方であれば、目で見た路面状況や気温などからある程度予想できるが、それでもグリップする! と確信して安心してハンドルを切り込み曲がる為には、初期の微操舵に対して路面をタイヤが捕まえているというハンドルからの手応えが重要。だが、重量級ミニバンでは、タイヤが重量に負けてグニャッとすることで、そのような手応えが薄まり易い傾向がある。MK4αはまさにそこに対応したタイヤとも表現でき、タイヤの基本剛性が高いからこそ手応えがハッキリしており、グリップ感が掴み易く、路面状況も変化も読み取り易く走り易いわけだ。
ちなみに、よくブロックを横から押して柔らかいスタッドレスタイヤがアイス路面を含めて性能が高いと一般的に浸透しているが、それはスパイクタイヤが廃止され、まだ冬期用コンパウンド技術が進化しきっていない状態でグリップを稼ぐべく柔軟性に頼っていた時のスタッドレスタイヤ選びのポイントだ。今ではコンパウンド技術が劇的に進化。シリカと呼ばれるコンパウンド配合素材の採用や、クルミによるひっかき効果など、様々な手法によりコンパウンド事体でグリップを稼げるようになってきた。そうなるとサマータイヤのように接地面積を稼ぐのが重要となり、指で押して“大きく”ブロックが倒れ込むような状態では、接地面積が減るしインフォメーションも鈍感になるので、良いスタッドレスタイヤとは言えない。
ミニバンにおいて、MK4αは特にお勧めスタッドレスタイヤだが、それ以外のスタッドレスタイヤにおいても我々ユーザー側のスタッドレスタイヤ選びの“目”もタイヤ技術進化に合わせて更新させる必要がある。
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